住宅業界での企業間競争が激化する中、工務店では生き残りをかけ、他社との差別化のために優れた商品力や営業力が求められています。
そのために「自社には売れる営業経験者が必要だ」と採用プロセスで偏ってしまうと、採用難や採用長期化など新たな課題で悩む可能性があります。
そこで本記事では、工務店が差別化を図るための一つの戦略として「未経験者採用」にスポットを当て、メリットや戦力化するための育成ポイントをご紹介します。
様々な社会的背景から、工務店の倒産件数が年々増加しています。東京商工リサーチによると、2023年上半期(1-6月)の全国企業倒産は4,042件(前年同期比32.0%増)でした。
うち、工務店が関連する建設業は785件(36.2%増)と2年連続前年同期超えの結果となりました。
このような厳しい状況下で工務店が存続するためには、ただでさえ競争の激しい市場で差別化を図ることが不可欠です。その中で、業務プロセスのデジタル化や雇用した人材の定着は、企業経営における基本的なアクションであり、これを怠ると競争で遅れを取る可能性が高くなります。
出典:東京商工リサーチ
工務店の経営改革を進める上で、即戦力となる経験者採用は有効な手段の一つです。しかし、経験者採用には以下のような課題も考慮しておくべきでしょう。
中小規模の工務店は通常、大手と賃金や待遇面で競争するのが困難です。働きがいやキャリアパス等、自社ならではのアピールポイントがあれば良いのですが、待遇格差は経験者採用において大きな障壁となり、求める人材を獲得することが難しくなります。
結果、時間と労力がかかる上に採用コストが増加するリスクがあります。
経験者は既存の方法やプロセスに固執する可能性があり、特に小規模の工務店に入社した場合、社内が振り回されたり、既存の社内プロセスや文化・社風と合わない可能性があります。
このような採用ミスマッチは、組織の効率やモラルに影響を与えるリスクが生じます。
実力を備えた経験者は、キャリアの進展や待遇改善を求めて転職する可能性があります。営業力の属人化が進んでいる企業は、その人材が転職すると一気に失われるため、再び人材不足の問題に直面することになります。
自社にマッチした経験者をスムーズに採用できるのは理想的ですが、特に中小規模の工務店は採用において前述した課題があるのではないでしょうか?
それなら未経験者から採用して自社で育成するのも一つの選択肢となります。
未経験者が経験者よりも活躍するまでに時間がかかると一般に考えられがちですが、高い意欲と情熱を持つ人材なら、これを覆すケースも少なくありません。
このタイプの未経験者は、短期間で先輩や既存社員のレベルを超え、チームや企業全体に好影響を与える可能性があります。
未経験者は、顧客のニーズを従来とは異なる視点で捉えることができるため、営業やプランナー、設計者など、顧客接点が多い工務店にとって有用です。
既存の住宅設計やリフォーム手法にとらわれることなく、顧客が求める住まいやライフスタイルに対して、新しい形や機能を取り入れた斬新な提案ができるでしょう。
未経験者採用は、母集団が増えるだけでなく応募者数も増える傾向にあります。これは、未経験者が経験やスキルを重視する中途採用よりも応募しやすいという理由からです。
ただし、確実に母集団が増えるかどうかは採用広告の内容や手法にも影響されます。例えば、自社に合う求人媒体への掲載、SNSやオウンドメディアを使った発信など、様々な方法を組み合わせることで母集団を増やすことができます。
ここまで、未経験者採用のメリットについて述べてきました。
次に課題となるのが、採用した未経験者をどのように育成し、自社の営業力を高めるかです。ここでは主要とされる育成手法をまとめました。
OJTは先輩や上司が直接指導する形で、実際の業務を通じてスキルを向上させる研修で、提案スキルや顧客対応、設計や施工管理の基礎知識等を身につけさせます。
一方、OJTは人的リソースが割かれるため、例えば限られた時間で100%の成果を出していた社員のパフォーマンスが80%に低下する可能性があります。売上にも直接的な影響を与え、特に中小企業はその影響は甚大です。
また、指導力の不均一にならないために、指導者向けの事前研修等で育成の目的や方法をしっかりと共有する必要があるでしょう。
Off-JTは、業務外での研修や学習活動を指します。ビジネススキルの向上に特化したセミナーに参加したり、専門的な講座で資格取得を目指したりします。
外部研修やセミナーでは、専門家からの指導が得られる上、他企業ともネットワークができるというメリットがありますが、費用と時間がかかり、研修内容が自社に適しているかどうかも確認が必要です。
SDは社員それぞれが自ら進んで学ぶ方法です。例えば、書籍を読む、オンラインコースに参加する等です。自分のペースで学習が進められ、自分自身が興味を持つ教材を選ぶことができます。この方式では自己管理が不可欠であり、学習結果が会社の成績に直接反映されないこともあり得ます。
このように未経験者の育成には多様な手法がありますが、それぞれに長所と短所が存在します。そこで重要なのが、手法を効果的に組み合わせ、具体的なビジネスゴールに対応する育成プランを設計することです。
ユナイテッドマインドジャパンでは、専門コンサルタントと提携し、工務店の営業力を強化し、競合他社との差別化を図る独自の育成サービスを提供しています。
育成は誰でも可能というわけではありません。特定のスキルや経験がなくても、基本的な能力や潜在能力が高い人材が対象です。
素地のある未経験者は適切な指導を受けると、成長の可能性が高く、採用企業にとって長期的には投資価値がある人材となり得ます。
【育成プラン例】
育成人材のゴール:設計、現場対応、プランニングのスキルを有する営業
育成期間:即日〜6ヶ月
カリキュラム:設計、現場対応、プランニングの基礎から応用まで
上記は貴社に合わせてアレンジ可能です。また、育成後のフォロー、経営相談、新しい組織作り等のサポートも充実しています。
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未経験者を育成することは、工務店において新たな差別化戦略として有望です。しかし記事内でお伝えしたように育成には適切な手法や方針は不可欠です。
ユナイテッドマインドジャパンでは人材紹介サービスを中心に、住に関わる可能性を広げるべく、未経験者育成サービスを開始しました。
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