「たった1人採りたいのに採れない」と悩む住宅・不動産企業の採用担当者や経営者は多いです。
そこでこの記事では、採用までいたらない企業の特徴や、そのような企業が増えている背景について、人材紹介エージェントからの観点で解説しています。
失敗の原因を分析し早期に対策を取ることが重要です。ぜひ参考にして自社が求める人材を獲得してください。
採用に苦戦する企業に共通するいくつかの問題点を見ていきましょう。
住宅・不動産業界特化の人材紹介を行う当社では、優秀な人材の獲得を逃す大きな要因は「選考プロセスの遅れ」があると考えています。
経験豊富でスキルを持った候補者は通常、複数の人材エージェントから同時に多くの求人を紹介されています。彼らは好意的なオファーを早く提示した企業を選ぶ傾向にあるため、選考が遅い企業は候補者をタッチの差で逃してしまいます。
例えば、面接の結果を伝える際に1週間待たせるのは遅く、当日か翌日がベターです。遅くとも3日以内の返答が望ましいでしょう。
また、住宅・不動産業界の多くの企業は火曜・水曜が休日で、人事部門も休みになり選考プロセスが滞りがちです。
加えて土日は人材紹介エージェントの定休日と重なることが多く、企業・候補者双方への伝達が進まないこともあります。
これらの点を総合的に考慮し、迅速な選考を心がけることが重要です。
上記に関してご質問やご相談がある場合は、以下よりお気軽にお問い合わせください。
候補者が他の企業からもオファーを受けている可能性がある中で、条件以上に企業の熱意が候補者の心を動かすことがあります。
時には経営陣が直接関わり「どれだけあなたに期待しているか、入社してほしいか」という熱意を示すことが重要です。
どうしても採用したいと考えているなら、早期にオファー面談等を設定し、候補者に積極的にアプローチを考えましょう。
頻回な面接は、候補者の企業に対する興味や意欲を次第に薄れさせ、他企業への関心を引き寄せる恐れがあります。
一般的に複数面接を設定する企業は珍しくありません。
その理由として
等の意図があります。
しかし長い選考過程の中で、求職者にとって魅力的で転職しやすい案件があれば、そちらに流れてしまうケースもあります。
また、選考に参加するために遠方から来社する場合は、交通費や宿泊費などの経済的な負担を苦慮して、応募を見送る場合もあります。
自社の選考プロセスは候補者に寄り添ったものなのか、今一度省みる必要があるかもしれません。
求人募集を出すにも関わらず不採用が連続する場合、評価基準のばらつきが考えられます。
複数の面接官がいると、それぞれの判断基準により一貫性のない評価が行われ、適切な人材の見極めが難しくなります。
検索エンジンを提供するGoogleでは、人事管理においてデータ分析を積極的に活用しており、その中で「構造化面接」を採用しています。
全ての候補者に対して同じ質問をし、同じ基準で回答を評価することで、統一された採用基準に基づいた採用を実現するというものです。
あくまで一例ですが、自社状況やニーズに応じて参考にしつつ、評価にブレが発生しないよう模索することが重要です。
参考:Google
面接担当者が、年収やポジションのほか、入社希望日等の細かい部分についても曖昧な対応をすると、候補者は選考について不安を感じることがあります。
特に入社日は候補者が現在の職場からの移行やプライベートな計画を考慮している場合が多く、その期間についての明確な合意が求められます。
曖昧な返答では優秀な人材の損失に繋がる可能性があるため、採りたい候補者とは早めにすり合わせておくのが良いでしょう。
「人が辞めた穴を埋めるために、とにかく採れたらいい」という考えを持つ企業も一定数存在します。
このような採用の進め方の場合、人材を獲得できたとしても、入社後ギャップにより早期離職という課題に直面することがあります。
結果的に採用にかかるコストは無駄になり、組織全体にも悪影響を及ぼします。
ある九州の不動産企業は新卒入社の半数が早期退職することや、既存社員の残業超過が問題となっていました。
そこで働く人の目線に立った環境づくりを目指し、入社後のフォロー強化や業務の分業化を行った結果、社員の定着率が大幅に向上。さらに業績アップにも繋がったそうです。
定着率向上の施策については以下の記事にまとめていますので参考にしてください。
住宅・不動産業界に限らずですが、キャリア採用において、企業が設定する人材像が高すぎることも要因の一つです。
特に厳格な年齢制限や長年の業界経験などを必須とする場合、候補者の範囲が極端に狭まり、転職市場では不利になります。
候補者の潜在的な能力、成長の可能性に注目することが求められるでしょう。
採用難の背景にはいくつかの要因があります。
求職者の数が求人数を上回る場合、労働力の「売り手市場」が発生します。具体的には有効求人倍率が1以上で売り手市場に相当します。
厚生労働省によると、令和5年9月の新規求人倍率は2.22倍、および総務省統計局の労働力調査では、2023年10月の完全失業率は前年同月に比べ3万人減少しました。
このことから、現在は売り手市場であり求職者が有利な条件での選択権を持っていることを意味します。
出典:厚生労働省
上記で述べたように売り手市場・労働力不足であるのに関わらず、多数の企業が優れたキャリアを持つ優秀な人材を求めています。
確かにこういった人材は、短期間で業務に貢献する上に、教育コスト削減等のメリットがあるかもしれません。しかし、多くの企業が同様の候補者を求めることにより、人材獲得は一層厳しくなり採用難が悪化するのです。
現状、転職希望者は多くの選択肢があり、より魅力的な条件を提供する企業に惹かれる可能性が高いです。したがって、選考プロセスのスピードアップは優秀な人材を確保する上で必須です。
例えば、競合他社が1週間後に最終面接を行うならば、その前にオファー面談等を設定することで辞退を防げる可能性が高まるでしょう。
スピーディなプロセスは候補者にとっても好ましい印象を与え、企業のブランド価値を高めることにもつながります。
中途採用で人材がどうしても採用できない場合、選考プロセスを見直し、競合他社に比べて選考スピードを上げられるか、候補者に熱意を十分に伝えているか等を検証してみましょう。
このようなPDCAサイクルに基づいた採用管理が採用成功率の向上に繋がる可能性があります。
人材獲得の確率をより高めるためには、住宅・不動産業界に特化したエージェントであるユナイテッドマインドジャパンへお問い合わせください。
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