施工管理の業務は多岐にわたり複雑で、現場監督や事務作業などさまざまな業務をこなす必要があり、
管理者は常に時間に追われ多忙な日々を送っています。
住宅・不動産・建設企業ができることは、離職者を増やさないための業務効率化ではないでしょうか。
本記事では、施工管理における業務効率化の必要性と、効率化の一つであるITツールの活用事例を紹介していきます。
施工管理業務は「工程管理」「安全管理」「品質管理」「原価管理」の4つの重要な領域にわたる広範な責任を伴います。プロジェクトを予定通りかつ安全に進行させるため、施工管理者はしばしば長時間労働せざるをえない状況に置かれます。
このような厳しい職場環境と高いプレッシャーは、職場離職の原因となることもあります。
これらの問題に対処するため、企業は人材採用だけでなく、施工管理者の負担軽減や業務の効率化に向けた取り組みが必要です。
施工管理者の業務負担の軽減のために、分業制を導入する企業が増えています。積算、原価管理、品質管理などの求人で分業するケースは特に多いようです。
分業制は社員一人ひとりの業務量を減らし、仕事のクオリティを高めることができるほか、業績向上にもつながります。
一方で、業務ごとに専門的な知識やスキルを持った人材を採用するためには、コストやリソースが余分に必要になります。
また、それぞれ担当者が異なるため、業務の進捗状況や課題を共有することが難しくなる可能性があるでしょう。
分業制を導入する際には、これらの課題を踏まえて慎重に検討することが重要です。
実際に施工管理の業務を効率化するにはどのような方法があるのでしょうか。
ここでは、ITツールやIoT(モノのインターネット)の導入により業務効率化を成功させた、住宅・不動産・建設企業の活用事例を具体的に紹介します。
関東のあるハウスメーカーでは、移動時間削減による業務効率化を推進するため、現場に360度カメラを導入しています。
施工管理が現場に直接訪れるのは週に数回と徹底しており、ITを活用しつつ効率的に業務を進めています。
360度カメラは、1回のショットで360度の全方位の写真や動画を撮影できる上、その場にいるかのような臨場感のある撮影が可能です。
これらの特徴により施工管理の業務効率化につながります。
大手総合建設会社では、360度カメラとライブストリーミングサービスを連携しました。複数人が、遠隔から360度ライブ配信映像内に同時参加できる環境を構築しています。
関東にいながら東北の工事現場を中継し、現場の状況を360度リアルタイムで確認できるようになりました。
東北地方の中小規模のある工務店は、多様なデジタルツールを施工管理業務に活用しています。
業務効率化の例
同社はコロナが収束した現在も、デジタルツールの効果的な活用により、売上成長率と営業利益率が向上し続けているそうです。
前項の事例から分かるように、施工管理では業務効率化を推進することで様々な利点が得られます。ここからは具体的なメリットを3つご紹介します。
施工管理業務は過酷なイメージが強いせいか、求職者に敬遠されることが多い職種です。
実際に、給与は高くても業務量の多さや週休2日を取得できず休めない等の理由から、経験があるのに別の業種を検討する求職者も存在します。
業務効率化によって働きやすい環境を整えれば、社員定着率が高まる可能性があり、長期間活躍してくれる人材が集まります。
その上で採用活動を行う際は、業務効率化と並行して適切な人材の確保も重要です。
ユナイテッドマインドジャパンでは、住宅業界に特化した専門アドバイザーが、業界の慣習を理解した上で、全国200万人以上から貴社のニーズに合致する優秀な人材を見極めてご紹介します。
また、入社後の定期フォローにより離職率の低減にも貢献いたします。
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施工管理を含む業界は長時間労働が常態化していることから、2024年4月から適用される建設業における時間外労働の上限規制の施行により、長時間の残業が許されなくなります。
この点からも施工管理の業務効率化がさらに重要になります。
時間を要する書類作成や発注作業等をデジタル化し業務効率化をすすめることで、残業が短縮され、結果として社員のワークライフバランスの改善が期待できます。
参考:厚生労働省
紙での管理を廃止しペーパーレス化も併せて行うことで、保管場所や書式の統一化等の事務管理効率の向上が期待できます。
また、モノとインターネットを繋ぐ「IoT技術」の活用により、管理業務や煩わしい事務作業を場所を選ばず遠隔から行うことが可能になります。
事務所や現場への頻繁な往復が不要になる上に、交通費や時間コストの削減も見込めるでしょう。
業務効率化が目的とはいえ、ITツールの導入には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
さまざまなITツールは初期投資としてのコストが伴います。新しい技術やシステムを導入するために必要な経費であるとはいえ、企業にとって大きな負担となることがあります。
最近では無料トライアルが可能なサービスも増えており、実際に導入する前に自社に適しているかどうかを検証するのも良いでしょう。無駄な投資を防ぐためにも重要です。
スムーズに導入するためには社員向けの研修が必要で、これには一定の時間や人的コストがかかる可能性があります。
まずは直感的に操作できる施工管理アプリ等からスタートすることで、比較的容易に導入しやすい傾向にあります。
社員が新しい技術やシステムに対して抵抗感や混乱を少なくし、徐々に慣れていくことができます。
ITツールを導入する際に、現状の業務プロセスや現場の課題を十分検証せずに進めることは、新たなトラブルを生み出します。
デジタル技術を過大評価せず、実際にどのように現場の課題を解決し、業務の効率化に貢献するかを慎重に評価する必要があります。
また、ツールの選定や導入過程では、社員のフィードバックや現場の実態を考慮し、柔軟かつ適応的なアプローチを取ることが重要です。
ここまで述べてきたように、施工管理はITツールの導入をはじめ、様々な角度から業務効率化すべき分野です。
効率化され社員にとって働きやすい職場は、優秀な人材を惹きつけ、定着率を高める上でも重要な役割を果たします。
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