様々な手を尽くし、コストをかけ採用した人材の定着は、住宅・不動産企業にとって切実な課題です。
中には、採用したほとんどの人材が1年以内に辞めてしまうケースも見られ、組織にとって大きな損失となっています。
では優秀な中途採用者を定着させるには、どのような対策を講じるべきなのでしょうか?
この記事では、中途採用後に人材が辞めてしてしまう理由や、離職を防ぐための具体的な戦略を紹介します。
ほとんどの企業は、即戦力を期待して採用した人材にはできるだけ長く定着して欲しいと考えるでしょう。
厚生労働省の「令和4年の入職と離職」調査によると、一般労働者(パートタイムを除く)の入職者数は439.83万人、離職者数は441.49万人で、わずかに離職者数が入職者数を1.66万人上回っています。
採用活動には求人サイトへの掲載費をはじめ、採用プロセス自体にも多くの時間と労力が必要です。
もちろん、履歴書のスクリーニングや面接の調整に注ぎ込む時間も、間接的コストになります。
さらに再び採用活動を行う必要があり、特に採用予算が限られている中小企業にとっては大きな痛手となります。
しかし、これらの費用だけが問題なのではありません。
対顧客の業種の場合、例えば住宅営業やリフォーム営業等では、担当者が頻繁に交代することで顧客の信頼を損なうリスクが生じます。
出典:厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果の概況」
中途採用者が入社後数ヶ月から1年未満で離職してしまうケースは少なくありません。離職の背景には何があるのでしょうか?
ここでは、人材紹介エージェントの視点から原因を探っていきます。
中途採用者が期待していた職務内容と実際の条件が異なると、離職を招きやすくなります。
求人広告に記載される情報は、法的要件を満たすだけでなく、企業倫理に基づいても正確である必要があります。
そのため、採用プロセスにおいては契約前にすべての条件を明確にし、求職者に対して十分な情報提供と求人内容の説明を行うことが不可欠です。
もちろん当社のような人材紹介エージェントを利用する場合は、求める人材や詳細を事前共有することが望まれます。
なお、令和6年4月より「職業安定法施行規則」が改正され、募集時に明示すべき事項が追加されました。
「変更の範囲」とは、採用直後だけではなく、将来の配置転換も考慮した労働契約期間中の変更しうる事項を示します。
企業はこれらの規定遵守を含め、中途採用者との誤解を避け長期的な雇用関係を構築するための信頼を築くことが重要になるでしょう。
参考:厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」
住宅・不動産業界でも、多様な価値観を持つ中途採用者が増えている現在、上司の「当たり前」が部下にとって同様に受け入れられるとは限りません。
そのため、コミュニケーションを重ねて部下の意見・相談を真摯に聴くことは、信頼関係の構築とチームの士気向上に不可欠です。
忙しさを理由にした雑な対応ではなく、定期的なフィードバックや進捗報告を通じて、社員の声に耳を傾ける機会を設けるべきしょう。
人間関係に問題があると、中途採用者は不満を抱えたままある日突然辞めてしまうことがあり、それが組織全体の士気に影響する可能性があります。
実力や経験をある程度備えている中途採用者であっても、環境が整っていないために自己の能力を十分に発揮できず、生産性が低下するケースがしばしば見られます。
中途採用者が即戦力と見なされることは一般的ですが、同じ職種でも企業ごとに仕事の進め方、上司への報告の仕方などが異なります。
例えば、報告書のフォーマットや文書の作成スタイルが異なるだけでも、人によってはストレスとなり、時には退職を考えるほどに不満が膨らむことがあります。
これを防ぐためには、新しい環境にスムーズに適応できるよう環境を整備するとともに、経験豊富な上司やメンターを割り当てることも効果的です。
日常業務のサポートや組織の文化等についても指導することで、中途採用者は新しい職場で最大限に実力や経験を活かせるでしょう。
企業文化は、企業内で共有される価値観、信念、慣習、行動などの総体であり、社員の行動や意思に大きな影響を与えます。
これまでの歴史や経営者の思想によって形成されるため、企業ごとに独自のものとなります。
中途採用者が企業文化にうまく馴染めない場合、職場での満足度が低下します。結果として退職に至ることがあるため、面接等では自社についてオープンに説明することが重要です。
採用プロセスの前段階として、SNSや企業ブログを通じて、日常の業務や社内のイベントを定期的に紹介することも効果的です。
企業文化に魅力を感じる人材を惹きつけ、彼らが自社で長く活躍する基盤を築くことができるでしょう。
2022年11月7日、経団連は転職者などの採用において一般的に使用される「中途採用」という表記を「経験者採用」に変更するよう呼びかけました。
これまで「中途採用」という言葉は、新卒採用を除く採用方法全般を指すために用いられてきましたが、今回の提言は「中途」という言葉が持つ、ややネガティブな印象を軽減するための措置です。
ただし「経験者採用」という表現には限界があるのも事実です。
「経験者」というワードが含まれることで、企業側はポテンシャル採用も受け付けているのに、「未経験だと応募できない」と求職者が誤解する可能性が出てきます。結果的に母集団が形成できないケースも増えるでしょう。
業務経験や知識が求められる職種に限り「経験者採用」と記載する場合も多いのが現状ですが、適切な人材を取りこぼさないためにも、採用表記に関しては今後慎重に検討する必要があるでしょう。
中途採用者が早々に辞めてしまう問題を解決するためには、早期に適切な人材スクリーニングを行うことも重要です。
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