住宅のデザイン志向が高まる中で、リビングからキッチン、洗面空間に至るまで「住まい全体の統一感」を求めるニーズが増えています。
特に、素材や質感を揃えた一体的なコーディネートは、暮らしの快適さと満足度を高める要素として注目されています。
こうした背景から、住宅メーカー各社は生活動線やインテリア性に優れた設備開発を進めています。
新たな動き
住友林業は11月14日、オリジナル商品「Germoglio(ジェルモーリオ) 洗面化粧台」を発売しました。
今年2月に発表された「Germoglio キッチン」に続くシリーズ第2弾で、「住友林業の家」と調和する木質空間向けのデザインが特徴です。
天板や扉柄、ミラーの素材・色柄を自由に組み合わせでき、同シリーズのキッチンと統一したデザインを採用することで、住空間全体の一体感を高めています。
課題
近年、LDKと洗面空間の境界が曖昧になり、住宅全体のデザイン統一が求められています。
しかし、多くの住宅設備は「機能優先」でデザイン選択肢が限られており、居住者が理想とするコーディネートを実現しづらい状況が続いていました。
特に、洗面空間は使用頻度が高い一方で、空間デザインが住まいの印象に直結しやすく、設備の刷新ニーズも高まっています。
取り組み
新製品は、耐久性とデザイン性を両立させた素材を採用しており、日常生活での扱いやすさにも配慮されています。
天板には天然鉱物を含む「シーザーストーン」を標準設定し、汚れ・傷・水に強い仕様となっています。
また、ミラーは2種類を用意し、照明付き一面鏡は柔らかな光で空間を演出。フェイスライトミラーは影ができにくく、スキンケアやメイクに適した設計です。
シリーズ全体のコンセプトにも通じる「自然素材の風合い」「木質空間との調和」を重視し、キッチンと洗面を統一デザインにできる点が大きな特徴です。
展望
今後、住空間全体のコーディネート性を求める需要はさらに拡大すると見られます。
住友林業は「Germoglio」シリーズを通じて、LDKから洗面室に至る空間の統一感を提供し、居心地の良さと機能性を両立させる住まいづくりを推進します。
森林経営から建築まで一貫したバリューチェーンを持つ同社は、素材選定からデザイン開発までの強みを活かし、今後も新たな住宅設備の展開を進める見通しです。
住まキャリの見解
今回の洗面化粧台は、単なる設備の追加ではなく「住空間全体をデザインする思想」が形になったものだといえます。
特にキッチンと洗面を同シリーズで揃えられる点は、生活導線の統一感や空間の居心地を高める効果が期待できます。
住まキャリとしては、今後の住宅設備トレンドの一つとして「素材統一型コーディネート」がさらに広がると見ています。





