不動産営業に将来性はある?業界の現状や課題・キャリアプランについて解説

スマキャリ すまきゃり
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不動産営業に興味があるものの、

「不動産営業に将来性はあるのか?」

「どのようなキャリアパスを描けるのか?」

と将来性に不安を抱く方もいるでしょう。

本記事では不動産業界が抱える課題、今後の展望から不動産営業の将来性を詳しく解説します。さらに、不動産営業として活躍するためのキャリアプランを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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目次

不動産業界の現状と課題:不動産営業の将来性を考える5つのポイント

不動産営業の将来性は、不動産業界の市場規模や課題が大きく関わってきます。

まずは以下のポイントで業界の現状を踏まえつつ、営業職の将来性について見ていきましょう。

不動産営業の将来性を考えるポイント
  1. 不動産企業数
  2. 不動産の市場規模
  3. 新築着工数
  4. 空き家問題
  5. 人材不足と後継者問題

不動産企業数

不動産の企業数は増加傾向にあるため、不動産営業として活躍できる職場も多く、将来性がある職種と言えるでしょう。

国土交通省のデータによれば、宅地建物取引業者数は以下の通りです。

  • 平成25年:122,127件
  • 令和5年:129,604件

宅地建物取引事業者数は9年連続で増加しており、業界全体が成長していることが分かります。

さらに、上記に加えて物件オーナーや用地開発を手掛けるデベロッパーの企業を含めると、不動産業に分類される企業数は30万社を超えている状況です。

この状況から考察すると、今後も不動産営業の需要は高く、さまざまな業態で活躍できるでしょう。

参照:国土交通省「令和4年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果」 公益財団法人不動産流通推進センター「2024年不動産業統計集(3月期改訂)」

不動産の市場規模

不動産の市場規模は安定した状態であり、不動産営業の役割が重要視されるため、将来性が期待できるでしょう。

日本不動産研究所によると、不動産の年間取引金額は4.6兆円前後で推移しています。市場規模が4兆円を超える不動産業界は、他業界と比べても大きく、その安定性がうかがえます。

参照:一般財団法人日本不動産研究所【レポート】「不動産取引市場調査」(2023下期)

新築着工数

新築住宅の着工数は減少傾向ですが、他の分野の需要が拡大しているため、不動産営業の将来性は明るいと言えるでしょう。

たとえば、2023年の新築着工数は前年比4.6%減の81万9623戸となり、3年ぶりに減少に転じている一方で、中古物件の取引や不動産投資、賃貸市場など他分野の需要は拡大しています。

このような市場変化に伴い、不動産営業の役割はますます多様化しています。

参照:国土交通省 「建築着工統計調査報告(令和5年計分)」

空き家問題

全国で空き家問題が深刻化しています。しかし、不動産業界にはビジネスチャンスがあるのも事実で、不動産営業の将来性は今後も期待できます。

全国の空き家数は約820万戸に達し、全住宅の7戸に1戸が空き家という状況です。2033年には空家数が約2,150万戸に増加し、住宅の3戸に1戸が空き家になると予測されています。

このような背景から、空き家を活用したビジネスが活発化しており、リノベーションやリフォームによる中古住宅の流通拡大が進んでいます。

参照:国土交通省「空き家等の現状について」野村総合研究所「住宅の除去・減築などが進まない場合、2033年には空き家が2,000万戸超へと倍増」

人材不足と後継者問題

不動産業界だけでなく、日本全体で人材不足や後継者問題を抱えていますが、不動産営業にとっては選択肢が広がり、将来の展望が明るい状況です。

令和5年雇用動向調査結果の概要によると、不動産業、物品賃貸業の離職率は16.3%と高く、人材不足が懸念されています。また、後継者の不在率は68.9%と、後継者不足も大きな課題です。

そのため、不動産業界では実力を発揮できる人、成果を挙げられるスキルを持つ営業パーソンが今後も高く評価されるでしょう。

参照:厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概況」国土交通省「不動産ビジョン2030参考資料集」

不動産営業の将来性に関わる要因

次に、不動産営業の将来性に関わる要因について解説します。

不動産営業の将来性は、以下のような要因から明るいと言えるでしょう。

不動産営業の将来性に関わる要因
  • 少子高齢化による需要の変化
  • リフォーム・リノベーション需要の加速
  • 環境配慮型の住宅需要の増加
  • システムやAIを導入する企業の増加

少子高齢化による需要の変化

少子高齢化の影響で、耐震性や遮音性、維持管理など生活のしやさを求める動きが出ています。また、古い家を再利用する人も増えており、長く住み続けることを目的としたニーズが高まっています。

このような需要の変化に柔軟に対応し、顧客のニーズに寄り添った提案ができれば、不動産営業として大きく活躍できるでしょう。

リフォーム・リノベーション需要の加速

リフォーム・リノベーション需要の加速は、不動産営業として安定して働くことにつながります。2022年のリフォームの市場規模は約6.2兆円となり、2021年の5.69兆円から約5%増加しました。

さらに、家電量販店や大型家具店などの他業界からの新規参入が進み、市場全体が拡大傾向にあります。

小竹

転職市場も活発化しており、不動産営業だけでなく、リフォーム営業としてのチャンスも拡大中です!

参考:リフォーム産業新聞「リフォーム業界の市場規模は?2024年最新動向や将来性を解説」

環境配慮型の住宅需要の増加

不動産業界ではカーボンニュートラルの推進に伴い、環境に配慮した住宅需要が増加傾向です。エネルギー消費を抑えた住宅は、環境に優しいだけではなく、建物の長寿命化につながります。

不動産営業では省エネ・エコ住宅の提案の機会が増え、顧客との長期的な信頼関係を築きやすくなるでしょう。

システムやAIを導入する企業の増加

近年、不動産業界では、システムやAIの導入が急速に進んでいます。不動産営業の将来性にも大きな影響を与える要因となっており、以下のような導入事例が代表的です。

AIを活用したデータ分析システムの普及

多くの企業が顧客データや市場動向の分析にAIシステムを導入し、より的確な営業戦略の立案と提案が可能になっています。

自動化システムの導入拡大

物件査定AIや自動内覧システム、VRを使用したバーチャルツアーなど、業務効率化のための先進的なシステム導入が進んでいます。営業担当者は付加価値の高い業務に集中できるようになりました。

電子契約システムの採用増加

デジタル改革関連法の改正に伴い、2022年5月18日より不動産業の電子契約が解禁さたことで、多くの不動産取引が電子契約で行えるようになりました。

電子契約の導入で、訪問時間や郵送の手間が削減され、業務の効率化が図られています。

重要事項説明のオンライン化

2017年に賃貸取引で導入され、2021年からは売買取引でも可能になりました。これにより、不動産営業のスケジュール調整が柔軟になり仕事内容も変化しています。

小竹

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【業態別】不動産営業の将来性と仕事内容

ここまで、不動産営業に関わる業界全般の将来性ついて解説しました。ここからは、業態ごとの将来性と具体的な仕事内容を中心に解説します。

業態ごとの将来性と仕事内容
  • 賃貸仲介営業
  • 売買仲介営業
  • 不動産販売営業
  • 不動産販売営業

各業態の特徴や需要の見通しを踏まえることで、将来性をより具体的に理解できるでしょう。

賃貸仲介営業

賃貸物件は通年需要が安定しているため、賃貸仲介営業は今後も将来性のある分野です。

賃貸仲介営業の仕事は、物件を貸したいオーナーと物件を借りたい人を仲介します。
基本的に、飛び込み営業やテレアポなどは行わず反響営業が中心です。希望の物件が見つかった際は直接感謝されるため、やりがいを持って仕事に取り組めます。

小竹

細やかな提案もできることから、女性の方も活躍できるでしょう。

売買仲介営業

近年では、インバウンドによる需要の加速や、外国人投資家による国内の不動産投資が活発化しており、売買仲介営業の将来性は向上する見込みです。

中古の分譲マンションや土地など高額な商品を扱うため、契約までのプロセスが長期にわたります。そのため、粘り強さにくわえ、高度な営業力が求められます。

ノルマや目標値が設定されているケースが多く、飛び込み営業やテレアポなどの新規開拓営業もあります。営業だけでなく、様々な調査や資料作成も業務範囲です。

不動産売買業は収入アップが期待できるため、目標達成意欲が高い方やタフな精神力を持つ方に向いているでしょう。

不動産販売営業

新築物件を取り扱う不動産販売営業は、特に都内など不動産価値が安定しているエリアでは、将来性が期待できます。

不動産売買業は自社物件や、グループ会社保有の物件を売買する仕事です。

個人目標が設定されることが多く、賃貸仲介営業に比べると仕事内容はよりハードになります。限られた物件から提案することが必要になるため、ブランド理解力や高度な提案力が求められます。

小竹

家の購入という人生の一大イベントに携われるため、やりがい持って仕事に取り組めるでしょう。

不動産営業の将来性を見据えた5つのキャリアプラン

ここまで読み、将来性のある不動産営業に興味が出てきた方や、これから不動産営業として転職を考えている方際は、キャリアプランを見据えておくとが大切です。

不動産営業のキャリアプラン
  • 社内で昇進する
  • 専門分野の知識とスキルを磨く
  • 独立して不動産業を開業する
  • 不動産コンサルタントに転向する
  • 教育や育成分野で活躍する

以下から代表的なキャリアプランを紹介します。

社内で昇進する

不動産営業のキャリアパスの一つとして、社内で昇進し、管理職や経営陣に加わるチャンスがあります。営業成績が優れた社員は、成果に応じた昇進が期待され、マネージャーや部長といった役職に就くことが可能です。

特に大手不動産企業では、営業職からスタートして、最終的には事業戦略に携わるポジションに進むこともあります。

また、リーダーシップやマネジメントスキルが重要視されるため、チームをまとめる力を身に付けることも昇進のチャンスとなるでしょう。安定したキャリアを求める方にとって魅力的な選択肢です。

専門分野の知識とスキルを磨く

不動産営業として将来のキャリアを考えるなら、特定の専門分野での知識とスキルを深めることは非常に有効です。

例えば、投資用不動産や商業施設、海外不動産など特定分野の深い専門知識を持つことで、より高度な営業が可能になり、他の営業担当者との差別化が図れるでしょう。

専門性の高い提案を行えば、顧客からの信頼も厚くなり、長期的な関係性の構築や契約の成立につながります。

独立して不動産業を開業する

経験を積んだ不動産営業が次に目指すステップとして、独立開業があります。
独立すれば、これまでの人脈や経験を活かして自分のペースで仕事を進めることができ、成功すれば収入も大幅に増加する可能性があります。

特に地域に密着したサービスを展開し、自分自身の強みや専門性をアピールすることで、地域の不動産市場に強い影響力を持つ存在になることができます。

ただし、独立にはリスクも伴いますので、しっかりとした準備と計画が必要です。

不動産コンサルタントに転向する

不動産営業からコンサルタントに転向するというキャリアプランも魅力的です。

不動産コンサルタントの資格を取得すれば、不動産投資や資産運用など専門的なアドバイスが可能になり、付加価値の高いサービスが提供できます。

不動産コンサルタントになるには、宅建士、不動産鑑定士、一級建築士のいずれかの資格と、関連業務で5年以上の実務経験が必要です。条件は厳しいですが、スキルを磨けば、将来にわたって持続的なキャリアを築けます。

教育や育成分野で活躍する

不動産営業で得た知識と経験を活かし、教育や研修業界で活躍する道もあります。例えば、不動産営業のノウハウや実務経験を基に、企業内研修や資格取得を目指す講座の講師として指導することができます。

また、宅建士や不動産鑑定士を目指す受験者に対する指導や研修を担当することで、業界全体の発展を支えることにつながります。教育分野での活動は、後進の育成と自身のキャリア発展に繋がる選択肢となるでしょう。

不動産営業の将来性と年代別転職の可能性

不動産営業はさまざまな可能性が広がる仕事です。では、実際に転職を考えたとき、どの年齢層まで可能なのでしょうか?

ここでは、年代別の転職状況を解説します。

20代での転職

20代は柔軟な吸収力があるため、未経験からでも不動産営業に挑戦しやすい時期です。賃貸仲介や売買仲介の業務を通して、不動産業界での基礎を身に付けることで、今後のキャリアアップに役立ちます。

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30代での転職

30代の場合は他社経験もあり、基本的なビジネススキルが身についているため、不動産営業の書類選考も比較的通りやすい傾向です。キャリアアップを目指す方は、賃貸仲介営業から始めて知識を身に着けておくとキャリアの幅が広がります。

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40代での転職

不動産業界は人手不足の状況が続いているため、40代の方でもチャレンジできます。ただし、より専門性の高い知識が求められるため、宅建などの資格取得と、前職でのキャリアや経験をどう活かせるかがとても重要です。

50代以降の転職

50代以降になるとスキルや経験が重要視されるため、専門スキルだけではなくマネジメント能力が強く求められます。これまでの実績や成果、マネジメント能力を強みとしてアピールしましょう。

不動産営業の将来性に期待!転職で新たなキャリアを切り開こう

不動産営業の仕事は、業界の市場規模や需要を踏まえると、将来性が明るい職種と言えるでしょう。しかし、少子高齢化や空き家問題などさまざまな課題を抱えているのも事実です。

そのような課題解決に向けて、新たな付加価値を付けた商品の提供により、今後も成長が期待されています。不動産営業として、新たな一歩を踏み出してみてください。

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この記事を書いた人

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