建築士の年収はいくら?最新統計・資格の違いと転職先の比較方法

建築士の資格を取ったものの思うように稼げない、またはこれから建築士を目指す方にとって、年収や働き方は気になるポイントではないでしょうか。

実際、建築士の年収は資格の種類や企業規模・地域、担当するプロジェクトによって大きく異なります。

この記事では、公的統計で確認できる年収と資格の違いを整理。さらに、転職先の給与を比較する方法や、建築士としてのやりがい・魅力についても紹介します。

「資格を取ってキャリアを広げたい」「今より高い年収を目指したい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

建築士の平均年収を確認する前に|職業の統計と資格別の待遇を分ける

建築士の年収を調べる際は、設計職全体の平均と、一級・二級など資格別の待遇を分けて考えることが大切です。資格だけで給与が決まるわけではなく、担当業務や経験、勤務先の評価制度によっても変わります。

厚生労働省「job tag」の建築設計技術者に対応する統計では、全国の年収は679.1万円と表示されています。出典は令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査の加工データです。これは職業分類に基づく値であり、一級建築士だけ、二級建築士だけの平均年収でも、未経験者に提示される年収でもありません。

参考:厚生労働省 job tag「建築設計技術者」(2026年9月6日確認)

一級・二級・木造建築士の違いと、求人で確認すること

資格別の平均年収を決めつけずに比較するポイント
資格・立場確認するポイント
一級建築士応募先の建物用途・規模に加え、意匠・構造・設備など担当分野と責任範囲を確認する。資格手当や役職給の有無は求人ごとに比較する。
二級建築士住宅設計など、資格の業務範囲と募集業務が合うかを確認する。一級取得支援、取得後の担当変更や手当も比較する。
木造建築士木造建築を扱う募集か、資格で担当できる範囲に合うかを確認する。構造・規模などの条件は公式情報と照合する。
資格未取得の設計補助など「建築士」と資格未取得者を同じ意味で扱わず、補助業務の範囲、指導体制、将来の受験・登録要件を確認する。

一級・二級・木造では、設計や工事監理を行える建築物の範囲が異なります。求人に「建築士歓迎」とある場合も、試験合格者が対象なのか、登録済みの有資格者が必要なのかを確認しましょう。

参考:国土交通省「建築士」(2026年9月6日確認)

設計職の給与をさらに調べたい方は、設計士の年収を解説した記事もご覧ください。統計の対象や求人条件の違いを確認しながら比較しましょう。

建築士の年収差は何で生まれる?経験と給与の内訳を確認する

年代別の平均だけで自分の年収の上限を決めることはできません。転職では、どの業務をどこまで自分で担当できるかを具体的に整理すると、求人との比較がしやすくなります。

実績は「年数」だけでなく担当範囲で整理する

  • 担当した建物の用途・構造・規模と、自分の役割をまとめる。
  • 基本設計、実施設計、確認申請、工事監理のうち、経験のある工程を区別する。
  • CAD・BIMなど使用したツールと、作成・管理した成果物を整理する。
  • 施主との打ち合わせや他部門との調整、後輩指導などの経験を具体例にする。

経験が浅い場合は、担当できることと今後身につけたいことを分けて伝えましょう。資格の取得状況と実務経験を別々に示すと、入社後の研修や担当業務について相談しやすくなります。

「想定年収」の前提をそろえて比べる

求人票・面接で確認したい給与条件
項目確認すること
月給の内訳基本給、資格・役職などの手当、固定残業代を分けて確認する。
残業固定残業代が含まれる場合の時間数と金額、超過分の扱い、実際の残業状況を確認する。
賞与前年度実績なのか、業績連動なのか、初年度の支給対象・算定期間はどうなるかを確認する。
年収例何年目・どの役職の例か、残業代や変動報酬を含むか、自分の提示条件と区別する。
働き方休日数、転勤・出張、現場への移動、在宅勤務の条件を給与と併せて比較する。

比較の練習として、月給30万円・賞与60万円なら単純合計は420万円、月給32万円・賞与30万円なら414万円です。これは計算方法を示す架空の例で、建築士の相場や住まキャリ掲載求人の条件ではありません。月給だけで優劣を決めず、内訳と初年度の条件をそろえましょう。

建築士の転職先を比較|会社の種類と担当業務の見方

「ハウスメーカーならこの年収」「設計事務所なら低年収」と一律には判断できません。以下は、勤務先を比較するための確認項目です。同じ業態でも分業体制や受注する案件は異なります。

転職先ごとに確認したい仕事内容
転職先の例仕事内容・働き方の確認点
設計事務所得意な建物用途、意匠・構造・設備の担当、設計と工事監理の分担、納期前の体制。
ハウスメーカー注文住宅・規格住宅などの商品、顧客との打ち合わせの担当、営業との分担、休日の打ち合わせ対応。
工務店設計以外に見積もり・申請・現場調整を兼務するか、担当件数、外部協力先との分担。
ゼネコン・建設会社設計部門の募集か施工管理の募集か、配属先の建物用途、転勤・出張、プロジェクトの期間。
自治体・官公庁建築行政や公共施設関連などの職務、募集区分、受験・応募要件、給与表や採用時の経験評価。

希望が住宅設計なら「住宅を扱う会社か」だけでなく、入社後に設計を担当できる配属なのかまで確認します。建築施工管理は現場の工程・品質・安全などを管理する職種で、設計職とは募集の目的が異なります。

業務の違いを整理したい方は、建築士の仕事内容を解説した記事も参考にしてください。

求人を比較する際は、この表の確認点と希望年収・勤務地をメモしておきましょう。応募先の選び方に迷う場合は、住まキャリの無料キャリア相談で希望条件を整理できます。

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建築士が年収を上げる5つの方法

建築士の年収は、年齢や経験、働く環境によって大きく変わります。

一方で、日々の働き方やキャリアの選択次第で収入を伸ばしていくことも十分に可能です。

ここでは、建築士が年収を上げるために実践できる具体的な方法を紹介します。コミュニケーション力の向上から転職・独立に至るまで、自分の状況に合わせて取り入れられるポイントを押さえていきましょう。

建築士が年収を上げる方法
  • 大手ゼネコンやハウスメーカーで実績を作る
  • 最新技術や資格を取得して専門性を深める
  • 転職で年収アップを狙う
  • コミュニケーションスキルを磨き評価を高める
  • 独立して個人事務所を開業する

大手ゼネコンやハウスメーカーで実績を作る

規模の大きなプロジェクトに関わることで、市場価値を高めやすいのは事実です。大手ゼネコンやハウスメーカーはその機会が多く、経験や実績を積めば転職市場で有利になります。

大手企業への転職は競争率が高いですが、中堅ゼネコンや地域密着型のハウスメーカーでも、「どんな案件に関わり、どんな成果を出したか」を整理すれば十分に評価されます。

特に、担当したプロジェクトの規模・役割・成果をポートフォリオにまとめておくことが重要です。転職や年収交渉の場で、実績を具体的に示せることが大きな強みになります。

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最新技術や資格を取得して専門性を深める

建築業界ではBIMやAI、最新の建材・施工方法など、新しい技術が次々に登場しています。これらを積極的に学び実務に活かせる建築士は、企業から高く評価されやすい存在です。

さらに、一級建築士をはじめ、省エネ関連資格や施工管理技士などを取得すれば、専門性を証明できるうえに給与テーブルの高い企業で働くチャンスも広がります。

日々の業務と並行して学習や研修の機会を取り入れることが、長期的な年収アップにつながります。

転職で年収アップを狙う

現在の職場で昇給の余地が少ないと感じるなら、転職は有効な手段です。経験やスキルを武器にすれば、希望する業務と給与条件の合う会社への転職で、年収アップを目指せます。ただし、収入が上がるかは個別の提示条件によって異なります。

個人での情報収集には限界があり、非公開情報や企業文化の把握は専門家のサポートが有効です。そこで役立つのが転職エージェントです。

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建築士として転職をお考えの方を対象に、応募先選びを丁寧にサポートします。

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コミュニケーションスキルを磨き評価を高める

建築士は、顧客や社内外の多くの関係者とやり取りをしながらプロジェクトを進めます。顧客の要望を正確に理解して提案に反映させる力、現場での調整や社内チームとの協力を円滑に進める力が求められます。

こうしたコミュニケーションスキルは「この人に任せれば安心」という信頼につながり、責任ある案件や昇進のチャンスを増やします。

日常業務の中で意識して磨くことで、評価が高まり年収アップの可能性が広がるでしょう。

独立して個人事務所を開業する

実績や人脈を十分に積んだ後、自分の事務所を立ち上げて独立する道もあります。成功すれば高収入を得られるだけでなく、仕事のスタイルも自由に決められるのが魅力です。

一方で、独立には資金や経営のリスクも伴います。事務所の売上は、そのまま本人の年収になるわけではありません。資金計画や集客方法、継続的な案件獲得の仕組みを事前に整えておく必要があります。

独立を検討する場合も、まずは転職で経験を広げたり、経営に役立つ実績を積んでおくことが堅実なステップになるでしょう。

建築士の年収以外の魅力とやりがい

建築士は年収を上げる方法がいくつもあることに加えて、以下の魅力ややりがいを得られます。

建築士の魅力ややりがい
  • ゼロから物作りできる
  • 完成した建築物が残り続ける
  • 常に挑戦できる環境に身を置ける

それぞれ解説します。

ゼロから物作りできる

建築士は創造力と専門性を駆使しながら、顧客が求める建築物をゼロから生み出す喜びを感じられる仕事です。

土地の条件や周辺環境などを考慮しながら、図面の作成から工事計画・監理まで行い、世界にひとつだけの建物を形にします。

ゼロから何かを作り上げる楽しさは、建築士が味わえる特権ともいえるでしょう。

完成した建築物が残り続ける

一般的な住宅でも30年以上、オフィスビルや公共施設であれば50年・100年と街に存在し、街の風景として残り続けることが建築士の魅力です。

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他の職業ではなかなか得られない達成感とやりがいを感じられるでしょう。

常に挑戦できる環境に身を置ける

プロジェクトごとに異なるニーズや課題に直面するほか、トレンドや使いやすさを取り入れる必要があるため、日々挑戦できる環境に身を置けます。

顧客に満足してもらえるように、また、想像を超えるものを築けるような提案によって、喜んでもらえたときは、大きなやりがいを感じられるでしょう。

建築士は自己成長の機会が多く、常に新しいことにチャレンジできる魅力的な仕事です。

建築士の転職は、年収の内訳と担当業務をセットで比べる

公的統計は年収を知る参考になりますが、資格別の給与や自分への提示額を保証するものではありません。一級・二級などの資格、実務経験、担当できる工程を整理し、求人票の年収と働き方を併せて比べましょう。

まずは希望条件を「年収」「担当したい設計」「勤務地・休日」の3つに分け、優先順位を付けることから始めてください。

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建築士のキャリアを考える次のステップ

建築士として年収アップやキャリアアップを目指すには、自身の経験やスキルを客観的に評価し、市場の動向を理解することが重要です。

ネット上の情報だけでは見えにくい、企業ごとの評価制度や非公開求人、実際の働き方などを知ることで、より具体的な選択肢が見えてきます。

あなたの市場価値を診断する

まずは、あなたの経験やスキルが現在の市場でどの程度の価値があるのかを把握することから始めましょう。簡単な質問に答えることで、あなたの強みや適性、そして年収アップの可能性を客観的に見つめ直すきっかけが得られます。

▶️ あなたの経験とスキルで、どのようなキャリアの選択肢があるかを確認してみましょう。

具体的な企業事例から選択肢を広げる

年収アップを狙える企業は多岐にわたります。大手ゼネコン、ハウスメーカー、設計事務所など、それぞれの企業文化やプロジェクトの特徴を知ることで、自分に合った働き方を見つけられます

以下の記事では、具体的な企業事例や、一級建築士のキャリアパスについて詳しく解説しています。

専門家への相談で一次情報を得る

これらの情報を踏まえても、まだ具体的な選択に迷う場合や、ネットには出ない非公開情報、企業ごとの詳細な実態を知りたい場合は、専門家への相談が有効です。

キャリアアドバイザーは、あなたの希望や経験に合わせた最適な選択肢を提示し、転職活動をサポートします。

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建築士の年収を考える上で知っておきたい事実

建築士の年収は、公的統計の平均値だけでは実態を捉えきれません。特に、一級建築士の資格を持つからといって一律に高年収が保証されるわけではなく、担当するプロジェクトの規模、意匠・構造・設備といった専門分野、そして勤務先の企業規模や評価制度が大きく影響します。

例えば、大手ゼネコンやハウスメーカーでは大規模プロジェクトに関わる機会が多く、実績を積むことで市場価値を高めやすい傾向にありますが、中堅や地域密着型の企業でも、特定の専門性を深めたり、顧客との信頼関係を築くことで高年収を実現するケースも少なくありません。

重要なのは、資格だけでなく、実務で培った経験やスキルを具体的に言語化し、自身の市場価値を正しく理解することです。

キャリアの選択肢を比較する

建築士としてのキャリアを考える際、現状維持、転職、情報収集の3つの選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを比較し、ご自身の状況に合った最適な道を見つけるための参考にしてください。

比較項目今の会社に残る環境を変える(転職)まず情報を集める(相談)
年収アップ昇進・昇格、資格取得手当、評価制度による。経験・スキルに応じた高待遇の求人を探せる可能性。自身の市場価値や適正年収の客観的な情報を得られる。
キャリアパス既存のキャリアパスに沿った成長。新しい分野や企業文化での挑戦、専門性の深化。業界のトレンドや未公開求人情報を知る機会。
働き方慣れた環境で安定して働ける。新しい環境での適応、ワークライフバランスの変化。企業ごとの働き方や文化のリアルな情報を得られる。
リスク成長機会の停滞、年収の上限が見える可能性。転職先のミスマッチ、一時的な収入減の可能性。情報収集のみで、具体的な行動に移らないリスク。
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この記事を書いた人

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