住宅展示場の仕事内容とは？職種別で違いはある？働く魅力や向いてる人も

住宅展示場は、住宅メーカーや工務店が自社の住宅をアピールする場です。ここでは営業職と受付・事務職・設計職などが連携して、来場者の住まい選びをサポートしています。

この記事では、住宅展示場の種類や職種ごとの仕事内容、向いている人の特徴を解説します。住宅業界への転職や、キャリアを考えるヒントにしてください。

住宅展示場の種類

住宅展示場には、複数のメーカーが出展する「総合住宅展示場」と、1社のみが運営する「1社単独の住宅展示場」があります。

そのため仕事内容も少しずつ異なります。

総合住宅展示場（複数のメーカーが出展）

総合住宅展示場は、複数のハウスメーカーや工務店がモデルハウスを出展し、来場者が各社の住宅を比較しながら検討できる施設です。

規模が大きく、各メーカーの営業担当者が常駐して商談を行います。

来場者には情報収集目的の人や、ただイベント参加目的で来る人が多く、必ずしも契約を前提としているわけではありません。

そのため、営業担当者は自社の強みを伝え、他社と差別化を図ることが求められます。

1社単独の住宅展示場

1社単独の住宅展示場は、特定のハウスメーカーや工務店が単独で運営する展示場です。基本的には自社の商品だけを展示し、来場者に詳しく説明・提案する場となります。

総合展示場とは異なり、他社との競争がないため、来場者との商談をじっくり進められる一方で、比較検討の場としては使われにくい傾向があります。

住宅展示場の職種別の仕事内容

住宅展示場で働く職種は、求められるスキルや働き方も変わります。

ここでは、営業職、設計職、受付・事務職の仕事内容について詳しく解説します。

営業職の仕事内容

住宅展示場での営業職は、反響営業が中心となるため、自ら新規開拓を行う必要はほとんどありません。

しかし、来場者対応から契約業務まで幅広い業務を担い、来場者への対応を通じて商談を進め、契約につなげていきます。

具体的な仕事内容を見ていきましょう。

来場者へのヒアリングと住宅提案

営業職の最初の仕事は、来場者の要望をヒアリングし、適切な住宅プランを提案することです。

自社のモデルハウスを案内しながら、住宅の構造や工法、設備について詳しく説明し、顧客のニーズに合ったプランを考えます。時には簡易的な図面を営業自ら作成する場合もあるでしょう。

来場者にとって魅力的な提案を行うため、キャンペーンや特典を活用することもあります。

商談・契約業務

ヒアリング後、具体的な資金計画や住宅ローンの相談に対応し、契約へと進めます。契約書類の準備や説明を行い、顧客が安心して契約できるようサポートします。

もし契約に至らない場合は、後日適切なタイミングでのアフターフォローや追加提案を行うことも求められます。

契約後の来場フォロー

契約後も、設備や仕様の確認のために展示場を訪れる顧客がいます。ショールームやモデルハウスで追加の仕様確認をサポートし、納得のいく住宅選びを手助けします。

また、親族や知人と一緒に再来場するケースもあり、改めて住宅の魅力を説明する場面もあります。こうしたフォローを通じて、顧客満足度を高めることが重要です。

住宅営業の全体的な仕事内容については、以下の関連ページを参考にしてください。

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住宅展示場の設計職（プランナー）の仕事内容

住宅展示場の設計職は、営業と連携して顧客に合わせた間取りやデザインを作成します。

注文住宅では顧客の個別のニーズに応じたオリジナルプランを作成し、規格住宅では決められたプラン内でのカスタマイズを行います。

ただし、規格住宅では自由度が高くないため、提案の幅は制限されることがあります。

また、顧客とのアポイントがあるときに展示場に出向き、直接対応することもあります。

住宅展示場の受付・事務職の仕事内容

受付・事務職は、来場者対応やモデルハウスの管理、事務作業などを担当し、営業職をサポートする役割を担います。

住宅展示場の運営を円滑に進めるため、幅広い業務に対応します。

呼び込み

総合住宅展示場では、来場者が複数のモデルハウスの中から訪れる場所を選ぶため、まずは自社の展示場に興味を持ってもらうことが大切です。

そのため、入口付近での声かけやパンフレットの配布を行い、来場者が立ち寄りやすい雰囲気を作ります。

イベントやキャンペーンがある場合は、それを活用して来場者の関心を引くこともあり、「本日限定のプレゼントがあります」「モデルハウスを見学いただくと○○が体験できます」など、特典を伝えながら案内をします。

受付・案内業務

住宅展示場には必ず受付スタッフが必要です。来場者を迎え、アンケートの記入を案内し、営業担当へ引き継ぎます。

また、商談がスムーズに進むよう、必要な資料を準備したり、お茶を提供したりすることも受付の大切な役割です。

来場者の中には、家族や子連れで訪れる人も多くいます。

その場合は、キッズスペースに案内したり、ぬり絵や絵本を用意したりすることで、家族が落ち着いて話を聞けるように配慮します。

モデルハウスの管理・イベントサポート

モデルハウス内の清掃や備品の補充を行い、来場者が快適に見学できる環境を整えます。季節に応じた装飾やインテリアの調整を行うこともあります。

また、住宅セミナーや見学会などのイベント準備や運営をサポートし、来場者がスムーズに参加できるよう調整を行います。

企業によっては、顧客情報のデータ入力や管理を行うほか、住宅カタログやチラシの発注・在庫管理を担当します。

住宅展示場の職種ごとのメリット・デメリット

住宅展示場では、営業職・設計職・受付・事務職がそれぞれの役割を担いながら、来場者対応を行います。

職種ごとの働き方や特徴には違いがあるため、各職種のメリット・デメリットを見ていきましょう。

職種	メリット	デメリット
営業職	・モデルハウスを活用した提案ができる ・反響営業が中心で未経験でも挑戦しやすい ・成約インセンティブが高い	・契約につながらない来場者も多い ・顧客の見極めが必要
設計職	・営業と連携しながらプランを作成できる ・自由設計の場合はオリジナルプランの提案が可能	・規格住宅では提案の自由度が低い ・営業サポート業務が増えることも ・未経験者は採用されにくい
受付・事務職	・未経験でも始めやすい ・短時間勤務の選択肢がある	正社員採用が少なくキャリアアップが限られる

住宅展示場での仕事は、チームでの協力が求められることが多いため、自分に合った役割を見つけ、スムーズに業務を進めることができる職場環境を選ぶことが、長期的に安定したキャリアを築くための鍵となります。

住宅展示場勤務に向いている人の特徴

住宅展示場では、営業職・受付・事務職それぞれの役割がありますが、どの職種でも接客やチームワークが求められます。

ここでは、住宅展示場での仕事に向いている人の特徴をいくつか紹介します。

人と話すのが好きな人

住宅展示場では、さまざまな来場者との会話が業務の中心になります。

特に営業職は、家づくりに関する相談に乗り、顧客の不安を解消しながら信頼関係を築くことが大切です。

住宅購入は人生の大きな決断の一つなので、相手の気持ちに寄り添いながら会話を進められる人が向いています。

どんな来場者にも親身に対応できる人

住宅展示場に訪れる人の中には、本気で購入を検討している人だけでなく、情報収集が目的の人や、キャンペーン・イベントに興味があって立ち寄った人もいます。

そのため、どのような来場者にも丁寧に対応し、将来的な顧客になる可能性を考えながら接客できる人が向いています。

興味を持ってもらうことで、後々の商談につながることもあります。

チームで仕事を進めるのが得意な人

住宅展示場では、営業職・受付・事務職が連携しながら業務を進めます。

営業は事務スタッフと情報を共有しながらお客様への提案を行い、受付・事務職は営業をサポートしながら円滑に業務が進むよう調整する役割を担います。

チームワークを大切にし、スタッフ同士で協力しながら働ける人に向いている職場です。

住宅展示場での仕事を理解し、自分に合った働き方を考えよう

住宅展示場での仕事は、職種ごとに雇用形態や働き方が異なるため、どの仕事が自分に合っているかを知ることが大切です。

住宅業界には、正社員・派遣・アルバイトなど多様な働き方があります。

正社員として安定したキャリアを築きたいなら、まずはハウスメーカーの営業職として採用される道を考えるのも一つの選択肢です。

自分の希望する働き方に合わせて、住宅業界での転職を検討してみましょう。