大阪市では、大阪・関西万博の閉幕後も、IR建設や新線「なにわ筋線」の開業計画、駅周辺再開発など複数の大型プロジェクトが進行しています。
これらの事業を背景に、居住需要は堅調に推移しており、特に再開発や交通利便性が高まるエリアを中心に、賃貸物件の募集家賃が上昇する傾向が続いています。
アットホームの調査では、2025年9月時点の募集家賃を2023年同月と比較し、シングル向き全24区で家賃が上昇、ファミリー向きは22区で上昇したことが明らかになりました。
新たな動き
今回の調査結果では、特に 湾岸エリア(港区・大正区・西淀川区) と 北部エリア(東淀川区・北区・都島区) が高い上昇率を示しました。
シングル向き家賃の上昇率トップは 港区の +19.9%、続いて大正区・西淀川区・東成区などがランクインし、万博関連人材の滞在需要が押し上げ要因となっています。

ファミリー向きでは、 東淀川区が +28.7%で全区トップ。新大阪駅周辺での大型新築マンション供給が影響しています。
都島区(+24.0%)、浪速区(+23.9%)、東成区(+21.8%)、北区(+20.2%)も上昇率が高く、特に北部エリアの強さが際立ちました。
課題
大阪市の家賃上昇は、再開発による供給増と需要増が同時に進んでいることが要因ですが、一方で 中低所得層にとっては負担増 となる側面もあります。
湾岸・北部に需要が集中する一方で、住宅供給が限定的な地区では、今後も家賃上昇による住まいの選択肢縮小が懸念されます。
また、短期的には万博関連需要など外的要因に左右されやすく、IR開業・新線開業といった大型イベントの進行によって賃貸市場の動きが大きく変動する可能性があります。

取り組み
アットホームによる詳細分析では、家賃上昇の背景に以下の要因があると指摘されています。
- 万博閉幕後も続く観光人材・建設人材の需要
- IR建設や大型商業・宿泊施設開業に伴う中長期の居住需要増
- 新大阪・梅田などの鉄道結節点の再開発
- 交通利便性向上による周辺エリアの地価・家賃上昇
また、北部・湾岸エリアでは外国人居住者の増加もあり、住まいの需要が高まり続けています。

さらに 以下資料 では、シングル・ファミリー向きそれぞれの 上昇率TOP5表+マップ が掲載され、地区ごとの特徴が明確に示されています。
展望

大阪市では、IR開業、新線開業、梅田北ヤードの進展などにより、不動産市場の底堅さが見込まれています。
特に賃貸市場は、ワーカー・観光客・外国人居住者の増加を背景に、バランスの良い需要が続く見通しです。
一方で、家賃上昇が著しいエリアでは、住民負担の増大に対する対策や地元企業の従業員確保に向けた住宅支援など、行政・民間双方による柔軟な対応も求められる段階に入っています。
住まキャリの見解
今回の調査は、大阪市の賃貸市場が万博後も活気を保ち、今後の大型開発が追い風になっていることを示す重要なデータです。
特に「湾岸×北部」の二極で家賃が上昇している点は、市内の居住ニーズが多様化していることを示唆しています。
住まキャリとしては、働く場所や子育て環境を重視した居住選びが増える中で、エリア特性に応じた物件戦略・住まい提案がより重要になると考えています。




