東京のオフィスマーケットでは、コロナ禍以降の需給調整が一巡し、回復局面に入ったとの見方が広がっています。
出社回帰の動きや企業の拠点再編により、立地や規模を重視したオフィス需要が再び高まっています。
こうした中、空室率と募集賃料の動向は、市場の先行指標として注目されています。
新たな動き

三菱地所リアルエステートサービスが実施した調査によると、2025年12月末時点の主要7区における空室率は2.31%となりました。
前月比では0.01ポイント低下し、低水準を維持しています。
主要5区では1.92%となり、こちらは前月からわずかに上昇しました。
平均募集賃料は、主要7区で27,944円/坪となり、前月比で867円上昇しました。
主要5区でも32,306円/坪と、賃料上昇が続いています。
課題
空室率が低下する一方で、エリアや物件規模による需給の偏りが顕在化しています。
特に、即入居可能な大型区画の不足が、都心部で顕著になっています。
空室率だけでは把握しきれない「使える在庫」の減少が、市場の新たな課題となっています。
取り組み

エリア別では、大崎駅周辺で募集賃料が大きく上昇しました。
北品川周辺で賃料を引き上げた物件の影響により、大崎エリア全体の平均募集賃料は前月から大幅に上昇しています。
また、豊洲・晴海エリアでは潜在空室率が5.93%まで低下しました。
この水準は、2020年9月以来およそ5年ぶりとなります。
展望
募集フロアの面積帯を見ると、100~500坪未満の中規模フロアが全体の約65%を占めています。
一方、500坪以上の大型区画は江東区に集中し、渋谷区では枯渇している状況です。
オフィス需要の回復を背景に、都心部では空室在庫の減少傾向が続くと考えられます。
今後は、立地と規模の両面で選別が進む市場環境となりそうです。
住まキャリの見解
住まキャリの見解では、今回の調査結果は、東京オフィスマーケットが「量」から「質」へと評価軸を移していることを示していると捉えています。
特に大型区画の不足は、企業の成長戦略や人材確保と密接に関係しています。
今後は、オフィスの立地や規模だけでなく、柔軟性や将来性を見据えた選択がより重要になると言えます。
参照元
三菱地所リアルエステートサービス株式会社「<2025年12月末>東京オフィスマーケット動向 空室率・平均募集賃料」(2026年1月13日公表)


