企業の休廃業・解散は、経済情勢や業界環境の変化を反映した指標として重要です。
特に2020年以降、コロナ禍による支援策が一段落し、物価高、人手不足、設備老朽化、後継者問題といった複合的な要因が企業経営に影響を与えています。
この背景を踏まえ、帝国データバンクは、2025年に発生した休廃業・解散企業の動向について詳細な調査を実施しました。
新たな動き

2025年の休廃業・解散件数は、全国で6万7949件となり、前年度の6万9019件から1.6%減少しました。
過去10年間では2024年に次いで2番目に多い水準となり、依然として高い水準にあります。
休廃業した企業のうち、直近の損益で「黒字」の企業は49.1%となり、5年連続で低下し、初めて50%を下回りました。
この結果、企業経営の厳しさが浮き彫りとなり、特に中小零細企業での「静かな退場」が進んでいることがわかります。
課題
休廃業・解散が増加した背景には、物価高や人手不足、後継者問題などが複雑に絡んでいます。
さらに、設備の老朽化や経営資源の枯渇が企業の退場を加速させています。
特に、資本金「100万円未満」の企業が増加し、コロナ禍前よりも多くの小規模・零細規模の企業が休廃業に追い込まれています。
また、経営者の高齢化も進み、2025年の平均経営者年齢は71.5歳となり、休廃業・解散の決断を下す経営者層の年齢が上昇していることも大きな特徴です。
取り組み
休廃業・解散の動向を受け、近年は企業支援の軸足が「資金繰り」から「事業再生」に移行しつつあります。
特にM&A(企業の売却や合併)を活用して、事業を第三者に引き継ぐ「前向きな廃業」の考え方が広まりつつあります。
このような取り組みは、企業の体力を維持しながらも事業再生を図る手段として注目されています。
一方で、経営体力が乏しい零細企業では、支援を受けることができず、ひっそりと事業を畳むケースも増えています。
展望
2026年に向けて、経営環境は一層厳しくなることが予測されています。
利上げによる借入金の利払い負担増や、従業員の高齢化、人手不足といった課題が企業経営に重くのしかかる中で、特に零細企業では再建が難しく、廃業する企業が増加する可能性があります。
今後、業績回復や「筋肉質」な収益基盤への再構築が遅れた企業や、事業改革に課題を抱えた企業にとっては、「静かな退場」が一つの選択肢となることが予想されます。
住まキャリの見解
住まキャリの見解では、2025年の休廃業・解散動向は、経営環境の急激な悪化を背景にした結果だと捉えています。
特に中小企業の多くは、事業継続のための戦略や資源が不足しており、環境の変化に適応できずに退場を選択しています。
事業再生や廃業支援が進む中で、今後はより柔軟な事業運営の重要性が増し、企業のキャリアパスにも影響を与えると考えられます。
また、事業継承や後継者問題への対応が、企業の存続において不可欠な要素となりつつあります。
参照元
株式会社帝国データバンク「全国企業『休廃業・解散』動向調査(2025年)」(2026年1月9日公表)


