不動産営業はやめとけと言われる理由6選|働くメリット・デメリットや会社選びのポイントを解説

すまきゃり スマキャリ
本記事でわかること
  • 不動産営業はやめとけと言われる理由
  • 不動産営業として働くメリット
  • 失敗しない不動産企業の選び方
  • 不動産業界の今後の動向や推移

「不動産営業はやめとけ」と耳にしたことがあるかもしれませんが、実はたくさんの魅力のある職種です。しかし、なぜ「やめとけ」と一般的に言われやすいのでしょうか。

そこで本記事では、不動産営業はやめとけと言われる6つの理由を解説します。
不動産営業で働くべきか悩んでいる方は、本記事で働くメリット・デメリットの双方を確認して、転職すべきか検討してみてください。

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目次

不動産営業はやめとけと言われる理由6選

「不動産営業はブラックだからやめとけ」と言われがちな職種ですが、その理由を知らない方もいるのではないでしょうか。不動産営業はやめとけと言われる理由は、主に次の6つです。

やめとけと言われる理由
  • 土日出勤のケースが多い
  • クレーム対応がある
  • 古い価値観が根付いている
  • 厳しいノルマがある
  • 歩合制で稼げなければ給与が下がる
  • 景気の影響を受けやすい

各理由を確認して、不動産営業で働くべきか検討しましょう。

1.土日出勤のケースが多い

個人顧客に対応する不動産営業の場合、顧客が休みの週末・祝日にこそ、稼ぎ時であり出勤が必要になります。それと連動し、不動産業界全体で火曜日か水曜日が公休日であるケースが多く、土日に休みたい方には不向きです。

さらに不動産営業は、売上を上げるために稼働日を増やすこともあり、週休1日や隔週週休2日・月1回のみ週休2日などと、休みがバラつく傾向にあります。
どうしても顧客ベースで働くため、自分のペースで休みを取りづらく、プライベートが疎かになる可能性が高いです。

なお大手の不動産デベロッパーや不動産管理会社など、法人を相手にする職種の場合は、カレンダー通りに休める可能性があります。

2.クレーム対応がある

接客を伴う不動産営業は、クレーム対応は避けて通れず、精神的にストレスを抱えやすいです。

不動産は人生に深く関わる「住まい」であり、高額であることから顧客は真剣に検討します。そのため、不安や疑問があれば営業担当者に問い合わせることが多く、クレームに発展するリスクがあります。

また、顧客から理不尽な要求をされたりするケースも珍しくありません。
休みの日や勤務時間外でも関係なく、顧客から連絡やクレームが入るため、気を休められずストレスが溜まってしまいます。

ストレスによって体調を崩してしまうことも考えて、不動産営業はやめておけと言われています。

3.古い価値観が根付いている

不動産業界は比較的古い価値観が根付いている業種です。

働き方改革が進みつつあるとはいえ、年功序列で休日出勤や時間外労働が当たり前、FAXなど紙ベースで物件データをやりとりする企業や不動産屋もいまだに存在します。

また、一部でパワハラやセクハラなどが見られる場合もあり、ブラックな企業に入社した場合は後悔する可能性が高いです。

すべての企業に古い価値観が根付いているわけではありませんが、業界として未だにブラックなイメージが定着しているため、「不動産営業はやめとけ」と言われます。

4.厳しいノルマがある

不動産営業はやめとけと言われる理由は、企業によっては厳しいノルマがあるからです。
どのような業界でも営業職は一定の売上目標が定められますが、不動産営業は達成が難しいノルマを設定されるケースもあります。

特に不動産売買は、当たり前ですが普通の買い物とは訳が違い、顧客は簡単に契約を決めません。
そのため契約締結まで時間がかかる場合もあり、「月〇本の契約」とノルマを設定しても、達成できない可能性があります。

賃貸営業の場合は売買よりハードルは下がりますが、その分、多くのライバル会社の中から自社を選んでもらい、契約を獲得しなければなりません。

ノルマを達成できなければ、上司から厳しく叱責される企業もあるため、ブラックな印象が根付いています。

5.歩合制で稼げなければ給与が下がる

不動産営業は高給取りなイメージもありますが、契約に繋がらず、歩合制の割合が低くなければおのずと低賃金です。

国税庁が公表する「令和4年分民間給与実態統計調査結果」によると、不動産業界を含む各業種の平均給与は次のとおりでした。

業種平均給与(千円)
建設業488万3,000円
製造業501万2,000円
卸売業、小売業321万6,000円
宿泊業、飲食サービス業159万5,000円
金融業、保険業590万5,000円
不動産業、物品賃貸業414万7,000円
運輸業、郵便業395万5,000円
電気・ガス・熱供給・水道業760万5,000円
情報通信業577万2,000円
学術研究、専門・技術サービス業、教育、学習支援業420万円
医療、福祉340万9,000円
複合サービス事業353万6,000円
サービス業317万2,000円
農林水産・鉱業286万7,000円
全体の平均給与389万6,000円
参照元:令和4年分民間給与実態統計調査結果|国税庁

全体の平均給与が約389万6,000円ですが、不動産業の平均給与は約414万7,000円です。
平均よりは少し高い水準ですが、建設業や製造業・融業・保険業など他の業種は、より平均給与が高い傾向にあります。

不動産企業は、契約数や売上数によってインセンティブを付与する給与形態が多いので、ノルマ・目標未達成や成績が悪い場合は給与が低いです。

クレーム対応や土日出勤、厳しいノルマなど過酷な環境で働くのに対して、低賃金の報酬では割に合わないため、不動産営業はやめとけと言われます。

6.景気の影響を受けやすい

不動産業界は景気の影響を受けやすい職種なので、不景気の際には業績が悪化しやすいです。

ある不動産テック企業の調査によると、新型コロナウイルスによる業務への影響について、大多数が影響があったと答えています。具体的には、来店数や内見数の減少や、入居や契約のキャンセルなどが発生しています。

もちろん、新型コロナウイルスの影響だけでなく、不景気に陥り住宅購入希望者が減少した場合は、売上が減少してしまいます。
このように、不動産業界は外部からの影響を受けやすいため、安定的な働き方を好む方には不向きです。

不動産営業はやめとけと言われても働くメリット

不動産営業は、必ずしも負の要素だけの職種ではありません。
「不動産営業はやめとけ」と言われても働くメリットは次のとおりです。

不動産営業で働くメリット
  • 成績を上げれば高収入を目指せる
  • 年齢に関係なくキャリアを積める
  • 学歴不問で活躍できる
  • 専門知識を取得できる
  • メンタルを鍛えられる
  • 平日休みを取得しやすい

デメリットだけでなくメリットを確認した上で、不動産営業で働くべきか検討することが大切です。

成績を上げれば高収入を目指せる

不動産営業は、成績を上げれば高収入を目指せる職種です。

歩合制で稼げれば、年収1,000万円超えも夢ではありません。特に不動産売買や投資など、契約単価が高い職種の場合は契約を取るごとに売上が格段に高まるため、収入へ反映されるインセンティブも高額です。

不動産営業の仕事はハードですが、実力さえあれば20代でも1,000万プレイヤーを目指せます。

不動産業界の年収については以下の記事も参考にしてください。

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年齢に関係なくキャリアを積める

不動産営業は実力主義の職種なので、年齢に関係なくキャリアアップできます。勤続年数や年齢に関係なく、契約を取れる「結果を残せる従業員」が重宝され、昇給や昇進していくケースが多いです。

そのため20代で課長などのポストにつき、従業員を教育するマネジメントを任されることも多いため、営業力だけでなくマネジメントスキルを向上できます。

加えて、不動産業界だけでなく、他業種の営業職や管理職として転職できるため、キャリア形成の幅が広いです。
不動産営業はハードできついイメージが強いため「不動産営業で成績を残しているのであれば優秀な人材」だと判断されます。

学歴不問で活躍できる

不動産営業は、学歴不問で活躍できるため、高卒や専門卒であっても転職しやすいです。不動産営業は実力主義の職種であり、高い営業力を備えた人材であれば、学歴に関係なく採用されます。

大卒の契約をあまり取れない従業員より、高卒の契約数が多い従業員のほうが不動産会社から重宝されます。ただし大手企業によっては、営業職の募集を大卒限定にしているケースがあるため、募集要項を確認しておきましょう。

専門知識を取得できる

不動産営業は、不動産に関する知識だけでなく建築や法律・金融などの専門知識が求められます。不動産営業で働くことで、さまざまな専門知識を取得できるため、次のキャリア形成につなげられます。

例えば、不動産営業で取得した金融知識を生かしてファイナンシャルプランナーの資格を取得したり、建築関係の職種に転職したりと他業種へも転職しやすいです。
また不動産営業は、高い対人スキルが磨かれるため、他業種の営業職へ転職する際も有利に進められます。

メンタルを鍛えられる

不動産営業は職業柄メンタルが鍛えられます。顧客からの理不尽な要求だけでなく、上司や同僚からのプレッシャーに耐えられるメンタルが必要です。
特に不動産売買を行う場合は、「1件の契約を取らなければ売上がゼロ」と緊迫した状態で営業活動を行うため、メンタルを鍛えられます。

また、不動産業界では予想外の出来事は日常茶飯事で、さまざまなケースで営業が最初の窓口となるため、慣れてくると冷静に対応できるようになります。

平日休みを取得しやすい

週末に出勤の不動産営業は、平日に連休を取得しやすいです。平日休みの場合、病院や役所・休日に混雑するテーマパークなどに行きやすいメリットがあります。

しかし最近では、家族との交流を増やしたり、子どもの行事に参加できるよう、土日祝日に従業員が休めるよう工夫する企業も増えています。
職種的に毎週末休むのは難しいですが、絶対に休めないという訳ではないので安心してください。

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「不動産営業はやめとけ」と言われないための会社選びのポイント

不動産営業で腰を据えて働きたい方は、働きやすいホワイト企業を見極めることが大切です。
不動産営業で働く際の会社選びのポイントを解説するので、「やめとけ」とは言われないクリーンな企業へ転職しましょう。

不動産営業で働く際の会社選びのポイント
  • 離職率の低い会社を選ぶ
  • 口コミや評判を確認する
  • 企業のホームページを確認する
  • 面接で見極める
  • 転職エージェントを利用する

1.離職率の低い会社を選ぶ

不動産営業で働きたい方は、離職率の低い会社を選びましょう。
離職率が高い会社は、パワハラや長時間労働・待遇面の不満など、何かしら離職を検討する要因があります。転職するのであれば、できるだけ長く働きたいと思えるクリーンな企業を選ぶべきです。

人材が長く定着している会社は、従業員満足度が高く、待遇面ややりがい・人間関係などが良好な可能性が高いです。

2.口コミや評判を確認する

不動産営業で働く際には、転職先の口コミや評判を確認しておきましょう。面接でどれだけ魅力的な社風や待遇を説明されても、実際に入社してみないとブラック企業であるか判断できません。

そのためには、インターネットやSNSを利用して、実際に働いたことがある従業員や、企業と取引・利用したことがある顧客から企業の口コミや評判を確認してください。

ただし、インターネットで確認できる口コミは、真実かどうかの判断はすべて自己責任になります。良い評判も悪い評判もあくまで参考として捉えましょう。

3.企業のホームページを確認する

企業のホームページには、勤続年数や平均給与などの基本情報や、従業員インタビューが掲載されています。企業のホームページを確認することで、実際に働いてからの待遇や組織内の雰囲気をイメージできます。

ホームページを運営していなかったり更新していなかったりと、情報が適切に公開されていない場合は、ブラック企業の可能性があるので注意しましょう。

4.面接で見極める

企業のブラック度を見極めるには、面接での質疑応答が有効的です。面接は企業側が求職者の人となりやスキルを見極めるだけでなく、求職者側が企業の働きやすさやブラック度を見極める場です。
入社してから後悔しないよう、面接の場で不明点や疑問点を質問しておきましょう。

次のような企業は、ブラック度が高い可能性があるため要注意です。

面接時でわかるブラック企業とは
  • 求人広告と仕事内容や待遇が異なる
  • 同年代の社員が少ない
  • 急に役職を打診された
  • 面接官の態度が横暴で話を聞かない
  • 有給休暇取得率が低い
  • 平均残業時間が長い
  • 教育体制が整っていない

教育係の上司がそもそも存在せず「見て覚えるスタイル」を推奨している企業や、休日出勤や突発的な時間外労働が多い企業などはブラック度が高いです。

内部事情をうまく聞き出せるよう、事前に質問を考えておきましょう。

5.転職エージェントを利用する

転職エージェントを利用すれば、働きやすく自分が入社しやすい不動産会社を紹介してもらえます。
転職エージェントは、求職者を募集する企業の担当者と直接やり取りをしているため、企業の募集要項や雰囲気・社風などを熟知しています。

また過去に転職エージェントが求職者を紹介した企業の場合、実際に面接で聞かれた質問内容や入社してからの雰囲気・体制などを共有してもらっている可能性が高いです。

自分ひとりでは見つけられない非公開求人の紹介や、履歴書・職務経歴書の添削、面接練習などを行ってくれるため、転職活動を有利に進められます。

転職前に知っておきたい不動産業界の動向や推移

不動産業界で働く前に、業界の動向や推移を確認しておくことが大切です。不動産業界全体を確認した上で、将来性を見極めて転職するべきか検討しましょう。

不動産業界の入職率・離職率

不動産業界の入職率・離職率は次のとおりです。

項目入職率離職率
不動産業界18.4%13.8%
産業計15.2%15.0%
参照元:2 産業別の入職と離職|厚生労働省

上記は2022年度の入職率・離職率ですが、産業計の平均より不動産業界の離職率は低いです。
働き方改革とは真逆のイメージのある不動産業界ですが、他業種と比較しても入職率は高く、離職率は低い傾向にあります。

少子高齢化に伴う影響

現在は少子高齢化が加速しており、若年層の数が年々減少しています。

国土交通省が公表した2022年度「住宅市場動向調査報告書」によると、戸建て住宅の世帯主は30〜40代がもっとも多いです。上記の結果から、住宅を購入する年齢は比較的若い年齢層が多いことがわかります。

また、総務省の「人口推計」で公表された、2022年10月時点における人口ピラミッドによると、30〜40代の人口は減少しています。

上記を踏まえると、住宅購入層の人口が減少するため不動産需要が減少する見込みですが、人が住む不動産は必要不可欠であり、不動産需要が完全になくなる心配はありません。

参照元:令和4年度住宅市場動向調査報告書|国土交通省

IT化が加速

近年のIT化は不動産業界でも進み、新たなビジネスチャンスを生んでいます。

AIを活用した物件選びや提案、VRによる内見、パスワードを利用した立ち合いなしでの内見など、IT化により業務効率化が加速しています。
IT化に伴い業務効率が向上すれば、従業員の負担が軽減され、長時間労働や残業なども解消されます。不動産営業はやめとけと言われることも減るでしょう。

その他の不動産業界の魅力については、以下の記事にもまとめています。

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不動産営業はやめとけと言われたら、転職先は入念に選ぶのが大事

不動産営業を新たにスタートする場合、慎重に会社選びを行えば「やめとけ」と言われにくくなるでしょう。
教育体制を整え定着率が高いホワイト企業を選べば、不動産営業でキャリアを形成できます。

不動産営業は、学歴や職歴・年齢問わず実力があれば昇給・昇進できる職種なので、若いうちから役職や高給取りになれる可能性があります。
不動産営業に挑戦したい方は、幅広く情報収集して、ホワイト企業への転職を成功させましょう。

もし成功の可能性を高めたいなら、専門エージェントの力を借りるのも一つの方法です。

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この記事を書いた人

住宅業界専門の転職エージェントを運営している住まキャリです。専門的な業界の知識を活かして住宅業界に関するお役立ち情報をご提供させていただきます。

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