CADオペレーターになるには未経験で可能？年齢制限は？なり方・必要な資格やスキルを徹底解説

「図面作成の仕事に興味がある」「パソコンを使ったものづくりがしたい」──そんな方に注目されているのが、CADオペレーターです。

「CADオペレーターになるには何が必要なのか？」「未経験でなるにはどんな準備が必要？」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、CADオペレーターを目指す方に向けて、必要な資格やスキル、なり方などを詳しく解説します。未経験からCADオペレーターを目指す方は、ぜひ参考にしてください。

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CADオペレーターになるには？押さえておきたい応募に必要な条件

実は、CADオペレーターになるための特別な条件はありません。

以下から詳しく解説していきます。

特別な学歴は必要ない

CADオペレーターになるには特別な学歴は必要ありません。独学、職業訓練校、専門学校など、さまざまな方法で目指すことができます。

また、建築や機械に関する知識があれば図面を理解しやすくなるものの、必須ではありません。

性別も年齢も問われない

CADオペレーターは性別や年齢を問わず、幅広い層が活躍しています。特に20代から50代の転職者も多く、未経験からでも挑戦しやすい職種です。

働き方の選択肢が多い点も特徴で、正社員として安定して働くケースや、スキルを活かしてフリーランスとして活躍する人も増えています。

CADオペレーターとは？仕事内容・働ける場所・他の職種との違い

CADオペレーターの主な仕事内容

CADオペレーターとは、パソコンの設計ソフト（CAD：Computer-Aided Design）を使って図面を作成する職業です。平面的な設計図（2D図面）から立体的な3Dモデルまで作成できることが求められます。

正確な図面を描くために、関連する規格や建築基準法、業界ごとの設計基準などの理解も必要です。

CADオペレーターの仕事内容は、建築、製造、土木などの業界によって異なります。
一部では「BIMコーディネーター」や「デジタル設計技術者」などと呼ばれることもありますが、基本的な役割は、設計図作成の専門家として建築士やエンジニアと連携し、アイデアや計画を図面に落とし込むことです。

図面は建物や製品を実際に作るための重要な設計資料となります。

CADオペレーターはどんな職場や業界で働ける？

CADオペレーターは、デザイナーや建築家などが構想したアイデアを、具体的な図面として形にする役割を担っています。多くの分野で欠かせない存在です。

以下は、CADオペレーターが活躍できる主な業界・企業の一部とそれぞれの仕事内容です。

CADオペレーターと他の職種との違い

CADソフトを使う職業にはさまざまなものがあります。CADオペレーターとの違いを知っておきましょう。

・CADオペレーター
設計士やCADエンジニアが作成した手書きの図面やスケッチを、CADソフトで清書する専門家です。図面を正確に仕上げるスキルが求められますが、設計そのものを行うことは少ないです。

・設計士
建物や製品の「アイデアを考える人」です。お客様の要望をヒアリングし、設計図の元となるアイデアを作り出します。実際の図面作成は他の職種に任せることが多いです。

・建築士
建物の設計や構造を考え、CADソフトを使って設計図を作成する専門家です。顧客の要望や法律を踏まえながら、建物のデザインや機能性を具体化します。

・CADエンジニア
設計士の役割も兼ねる職種で、自らCADを使い図面を描きます。製品や建物の構造や機能を理解し、設計そのものを行うのが特徴です。

・施工管理
施工現場を統括する役割を担います。建築や工事現場で作業スケジュールの管理、品質管理、安全管理などを行うのが主な業務です。CADを使う機会は限定的で、主に施工計画の補助や図面の確認作業に用いる程度です。

未経験からCADオペレーターになるには？ 7つの方法

1. 未経験者歓迎の求人に応募する

CADの経験がなくても採用してくれる会社は意外と多くあります。特に研修制度が充実した会社では、図面の基礎知識から、CADソフトの使い方まで丁寧に教えてもらえます。

求人サイトで「建築CAD」「インテリアCAD」「機械CAD」など、業界とCADを組み合わせたキーワードで検索すると、より自分の希望に合った求人を見つけやすいでしょう。

2. 転職エージェントを利用する

また、転職エージェントの活用もおすすめです。エージェントは未経験者向けの求人も多く取り扱っており、CADに関する基礎知識やスキルに自信がなくても、個別に相談しながらあなたに合った職場を見つけることが可能です。

また、CADオペレーターとして働くための具体的な準備、例えば職務経歴書の書き方や面接対策までサポートを受けられるため、転職活動が初めての人でも安心して取り組めます。

3. 独学でスキルを習得する

教材や学習ツールを使って、自分のペースでCADを勉強できます。AutoCADやJw_cadなど、無料の練習用ソフトもあるので、まずは基本的な使い方を学んでみましょう。

参考書を買って勉強したり、ネットの学習コミュニティで質問したりしながら、少しずつスキルを伸ばしていけます。できた図面は転職活動のときに見せられるよう、きちんと保存しておくと良いでしょう。

4. 職業訓練に通う

専門学校や職業訓練校では、2～6ヶ月かけてCADの基礎をしっかり身につけられます。

CADソフトの使い方や図面の描き方を基礎から学べ、就職活動にも役立ちます。仕事をしながら学びたい人には、夜間コースやオンライン授業という選択肢もあります。

5. 資格を取得する

CAD利用技術者試験などの資格取得は、実力の証明になります。試験勉強を通じてCADの基礎知識がしっかり身につきますし、資格を持っているだけで、仕事への意欲も伝わります。

また、資格手当がある会社も多いので給与面でも有利になるでしょう。代表的なCADの資格として「CAD利用技術者試験」があります。未経験の方は、まず2次元CADの試験から始めるのがおすすめです。

6. 施工管理からステップアップする

CAD以外のスキルも身につけたい人には、施工管理職からのキャリアステップもおすすめです。

建設現場での実務経験は、CADオペレーターとしての基礎だけでなく、幅広いスキルを習得するチャンスがあります。基本操作スキルを磨きながら、現場で実物を確認しながら図面の読み方を学ぶことで設計への理解が深まるでしょう。

7. 実践的な経験を積む

中途採用であれば、派遣や契約社員として実務経験を積む方法があります。特に未経験の場合、短期的な雇用形態で経験を重ねながら、スキルを磨いていくのがおすすめです。

正社員として採用される前に、トライアル期間を設ける企業もあるため、そういった環境で多様な図面に触れ、自分が得意とする分野や興味のある業界を見つけることができます。

また、実際の職場環境や業務の流れを体感することで、自分に合った働き方を具体的にイメージしやすくなります。

CADオペレーターになるには？知っておきたい年収・キャリアパス・やりがい

平均年収と給与相場

厚生労働省の職業情報提供サイトによると、全国のCADオペレーターの平均年収は452万円です。一方、求人検索サイトindeedでは約348万円でした。

これを日本全体と比較すると日本の平均給与458万円、中央値360万円とほぼ同水準です。CADオペレーターの給与は、日本の一般的な給与水準に近い位置にあると言えるでしょう。

参考：厚生労働省「jobtag」indeed「日本でのCADオペレーターの給与」国税庁「令和４年分　民間給与実態統計調査」

※データは2024年11月時点のものです

年収アップのコツ

年収を上げるためには、スキルアップや資格を取ることが役立ちます。また、プロジェクト管理や設計の責任者として昇進することで年収アップが可能です。

CADオペレーターの収入は、経験年数に関係なくスキルや実績次第でもあり、良いポートフォリオが組めれば、誰でも高収入を得られます。

CADオペレーターのキャリアパス

CADオペレーターのキャリアパスには、さまざまな選択肢があります。経験を積み、より専門的なスキルを身につけ、多様な方向へキャリアを発展できるでしょう。

CADオペレーターから設計士へ

CADオペレーターとしてキャリアをスタートし、3～5年の実務経験を積むことで、デザイナーや設計士へとステップアップが可能です。

この期間で製品設計や図面作成のスキルを磨き、CAD利用技術者試験や建築CAD検定などの資格を取得すると、キャリアアップがスムーズになります。設計士に昇進すると、年収500～700万円程度を目指すことも可能です。

CADオペレーターからBIMオペレーターへ

また、CADオペレーターからBIMオペレーターへ進む道があります。

BIM（Building Information Modeling）とは、建物やインフラの3Dモデルを使って設計から管理まで行う技術です。CADが図面作成に特化するのに対し、BIMは建物全体の情報を管理し、プロジェクトの効率化やコスト削減に役立ちます。

BIMは建築業界での需要が増加しており、BIMオペレーターはCADオペレーターからのステップアップとして注目されています。平均年収は約350万円前後ですが、経験やスキルの向上に応じてさらに高収入が期待できる職種です。

CADソフトのインストラクターやトレーナーへ

十分な経験を積んだ後は、CADソフトのインストラクターや、トレーナーとしてのキャリアパスも考えられます。

他のCADオペレーターや新人に対してソフトウェアの使い方や業界の標準を教えることが求められるため、教育に関心がある方にとっては、非常にやりがいのある道です。

フリーランスまたは独立したコンサルタントへ

最終的には、豊富な経験を活かしてフリーランスとして活動したり、独立したコンサルタントになる道もあります。この選択肢では、自身のペースでプロジェクトを選び、多様なクライアントと関わることができます。

CADオペレーターのやりがいと将来性

CADオペレーターの魅力は、自分の手でデザインやアイデアを具体化できる点です。

作成した図面が実際のプロジェクトに活かされるのを見ると、達成感を感じ、CADオペレーターとしてやりがいを感じる瞬間になるでしょう。

CADオペレーターは、特にデジタル化が進む現代において需要が高まっている職種です。AIや3Dプリント技術の進化とともに、今後もさらに需要が増えると予測されます。

CADオペレーターになるには？どんな人が向いている？

CADオペレーターにはどんな人が向いているのでしょうか。活躍しやすい人の特徴と、注意したいポイントを解説します。

CADオペレーターになるには？働くメリットやデメリット

CADオペレーターになって働く前に、どのようなメリットやデメリットがあるのか知っておきましょう。

CADオペレーターとして働くメリット

• リモートワークが可能

CAD業務は、PCとインターネット環境があればリモートで対応できることが多く、在宅勤務やカフェなど好きな場所で働くことも可能です。

特に近年では、企業でもリモートワークを導入するケースが増えており、フリーランスだけでなく正社員や契約社員としても柔軟な働き方が選べるようになっています。

また、仕事と生活のバランスを重視したい人や、育児や介護と両立したい人にとっても、大きなメリットとなるでしょう。

• 汎用性のあるスキル

CADスキルは異業種にも活用できるため、キャリアの選択肢が広がります。例えば、建築、製造、エンジニアリングなど、多岐にわたる分野で需要があります。

• 高い需要と安定性 

多くの産業で必要とされるため、常に高い需要があります。特に熟練したCADオペレーターは、安定した職を得やすいです。

CADオペレーターとして働くデメリット

• 長時間のデスクワーク

集中力が必要で、長時間にわたる作業が発生することが多いでしょう。肩こりや目の疲れなどの健康問題が生じる可能性もあります。

• 技術の変化に対応

常に新しいソフトウェアや技術を学ぶ必要があります。また、複数のCADソフトを使いこなす必要があるかもしれません。技術の進化についていくための継続的な学習が求められます。

• AIによる代替リスク

将来的にAIに業務が代替される可能性があります。AIの進化が急速に進む中、CADオペレーターを含む多くの職種がAIに代替されることが予想されています。

ただし、現時点でAIが得意とするのは単純作業や定型的な業務に限られます。クリエイティブな設計や顧客とのコミュニケーション、専門的な判断を求められる業務は、人間ならではのスキルが必要とされ続けるでしょう。

CADオペレーターになるには？転職成功する3つのコツ

ここからは、CADオペレーターを目指すにあたり、転職を成功させるための具体的なコツや戦略を紹介します。

希望の条件を整理する

転職先を選ぶときは、以下の点をチェックしましょう。

これらの条件を求人票や面接で確認し、自分に合った環境を選んでください。

業界の情報収集をする

業界専門誌やニュースサイトで、最近のトレンドをチェックしましょう。例えば建築業界なら、環境配慮設計やBIMの活用など、よく話題に上がるキーワードを理解しておくと面接で役立ちます。

これらの知識があると、面接で「この業界に興味を持った理由」や「将来のキャリアプラン」について、具体的に話せるようになります。

魅力的な履歴書を作る

経験がある方は、これまでの図面作成の実績をしっかり伝えましょう。

担当したプロジェクトの具体的な内容や、「1日3件の図面を正確に仕上げた」といった成果を書くと、採用担当者の目に留まりやすいです。また、作成した図面のサンプルを添えるとさらに効果的です。

未経験の方は、今までの仕事での経験を工夫してアピールしましょう。

例えば、細かい作業が得意なことや、パソコンでの資料作成経験などです。「CADの基礎を独学で勉強中」「図面作成の仕事に興味を持ったきっかけ」なども、具体的に書くと良いでしょう。

CADオペレーターになるための注意点

1. 知識習得までの時間を考慮する

未経験からCADオペレーターになるには新しいスキルを身につけるのに時間がかかります。そのため、転職や就職のタイミングに合わせて計画的に学習を進めることが大切です。

CADの基本操作、製図の知識、さらに業界に特化した知識を身につけるためには計画的な学習が欠かせません。転職や就職を見据えて、どのくらいの学習時間が必要か、どの段階で実践に移れるかを把握し、無理のないスケジュールを立てましょう。

2. 継続的に学習する

CAD業界では技術革新が速く、使用するソフトウェアやツールも頻繁に更新されます。そのため、CADオペレーターとして長く活躍するには、継続的に学習を重ね、最新技術に対応できるようにすることが求められます。

例えば、新しいソフトウェアのアップデートや機能追加を積極的に試し、効率的な操作方法や新技術をキャッチアップする姿勢が重要です。

日々の学習を習慣化することで、常に業界の変化に対応できるようになります。

3. 業界ごとの仕事内容の違いを理解する

CADオペレーターの仕事内容は業界やプロジェクトによって異なるため、希望する分野で必要なスキルや知識を理解しておくことが大切です。また、業務によっては複数のCADソフトウェアを使いこなす必要があります。

未経験者の場合、まずは興味のある分野に合ったソフトを1つ選び、その操作を深く学びましょう。その基礎ができれば、他のソフトウェアの習得もスムーズに進めることが可能です。

一度に全てを学ぶのではなく、段階的にスキルを広げていくのが成功への近道です。

CADオペレーターの転職でよくある質問

最後に、CADオペレーターを目指す上でよくある質問をまとめました。

未経験からCADオペレーターになるにはどのくらいの期間が必要？

厚生労働省の職業情報提供サイトによると、CADオペレーターになる前の訓練期間として「特に必要ない」という回答が多数を占めました。しかし、転職後すぐに活躍するためには一定のスキルがあると役立つでしょう。

参考：jobtag

CADオペレーターの職場での働き方は？

CADオペレーターは、ソフトウェアを実行できる適切なパソコンと、安定したインターネット接続さえあれば、リモートで仕事をすることが可能です。

そのため、スキルさえあれば、様々なバックグラウンドの人がCADオペレーターとしてのキャリアを目指せます。在宅勤務であれば、子育て中や介護中の方でも安心して働けます。

CADオペレーターで辛いことはある？

1．人間関係のストレス

CADオペレーターは業務上、エンジニアや設計士と連携することが多いため、コミュニケーションがうまくいかずストレスに感じる場合もあります。

解決策：ストレスを軽減するには、相手の立場を理解しながらコミュニケーションを取ることが大切です。定期的なミーティングを通じて、進捗状況や問題点を共有し積極的に意見を交換することで、スムーズな協力関係が築きやすくなります。

2．長時間のデスクワーク

PCでの長時間作業により、肩こりや目の疲れなど身体的負担が感じられることもあります。

解決策：定期的に休憩を取り、簡単なストレッチを行うことを心がけましょう。作業中は20分おきに目を休めるといった工夫も有効です。正しい姿勢を保つためのチェアやモニターの位置調整もおすすめです。

3．納期のプレッシャー

タイトなスケジュールに対応するため、納期前に残業が増えることもあり、精神的な負担になる場合もあります。

解決策：スケジュール管理を徹底し、優先度の高いタスクから取り組むことでプレッシャーを軽減できます。時間管理ツールや進行管理のリストを活用して、効率的に仕事を進めましょう。

CADオペレーターの平均年齢は？

厚生労働省のデータによると、全国のCADオペレーターの平均年齢は約41.8歳です。ある程度の経験とスキルを積み、業界で安定したポジションを築いている世代が多いことを示しています。

また、年収は30代から50代にかけて増加し、ピーク時には約526.56万円に達しています。その後、60歳以降は徐々に年収が減少していく傾向です。

経験を積むことで収入が上がる一方、体力的な負担も考慮する必要があるため、スキルアップと健康管理が重要になることがわかります。

CADオペレーターになるには様々な方法がある

CADオペレーターになるには、専門的な知識と技術スキルが求められますが、資格取得や経験を積むことで、建築や住宅など幅広い業界で活躍できる可能性が広がります。

自分のスキルや興味に合った道を選び、CADオペレーターとしてのキャリアを築きましょう。

CADオペレーターに興味のある方は、ぜひ挑戦してみてください。