施工管理に女性は転職可能？きつい部分・働くメリットや女性特有の事情もご紹介

「施工管理って男性の仕事でしょ？」そんなイメージを持つ女性も多いかもしれません。でも、実は今、女性の力が求められています。

工事が計画通りに進むように現場全体を指揮する施工管理職は、一見ハードに思えるかもしれませんが、女性の細やかさやコミュニケーション能力が大いに役立つ場面がたくさんあります。

この記事では、女性が施工管理に転職できる理由やメリットを分かりやすくお伝えします。次のキャリアに迷っている方、ぜひ読み進めてみてください。

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施工管理は女性でも転職できる？

結論を言えば、施工管理は女性でも転職できます。

男性社会のイメージが強い職種ですが、近年は女性の活躍も増えています。その背景を以下で解説します。

女性の転職実績は一定数ある

施工管理の仕事には男女の差はなく、女性であっても十分活躍できる仕事です。

国土交通省によると、全技術職従業員数約12万人のうち、施工管理を含めた技術職の女性の割合は約8,000人の6.4％です。圧倒的に男性が多いとはいえ、女性技術職がいるのは事実であり、働けないというわけではありません。

また、近年の建設業界は高齢化に伴い若い人材の確保を急務としており、女性の採用に積極的な企業も少なくありません。

参考：国土交通省「令和4年建設業活動実態調査の結果」

企業の女性支援制度が充実してきている

施工管理に女性が増えている理由の1つが、職場環境改善を行う企業が増えていることにあります。

• 残業時間の削減
• 現場の女性向けの設備の整備
• 育休産休の導入

など、さまざまな業界で女性向けの支援制度が充実を図る企業は増加中です。

女性の活躍を後押しする企業が増えていることから、女性でも施工管理への転職が目指しやすくなっているのです。

ただし、どのような制度や仕組みを設けているかは企業によって異なるので、転職先を探す際には職場環境について確認するようにしましょう。

女性施工管理者は年々増加している

厚生労働省の調査による女性技術者の人数は以下のとおりです。

年	女性技術職数	割合
令和4年（2022年）	7,894	6.4%
令和3年（2021年）	7,428	6.1%
平成24年（2012年）	3,862	3.6%

令和3年から令和4年にかけて、女性技術職は1年間で約500人増えました。また、平成24年と比較すると約4,000人の増加となり、大幅な伸びを示しています。

このように、施工管理に就く女性の数は着実に増えており、今後もさらなる活躍が期待されています。

参考：国土交通省「令和4年建設業活動実態調査の結果」「令和3年建設業活動実態調査の結果」「平成24年建設業活動実態調査の結果」

女性が施工管理に転職するメリット

施工管理はキャリアップしやすく需要も高い職種であることから女性にも大きなメリットがあります。

ここでは、女性が施工管理に転職するメリットを紹介します。

女性特有の視点を活かしやすい

施工管理では、現場の安全管理や職人の状況の把握など細かい視点が必要になります。

女性の細部までよく気付く特性を活かして、トラブルを未然に防いだり危険箇所を察知するといったこともできるでしょう。

細かい女性特有の視点は、現場の安全や品質の向上などに大きく貢献することが期待できます。

結婚や出産後の再就職も期待できる

施工管理は、資格や経験が重視されるため、結婚や出産・家庭の都合などで一時的にキャリアが中断しても再就職しやすい仕事です。

特に国家資格である建築施工管理技士を取得していれば、復職の際に有利になります。

また、育休や産休制度、フレックスタイムなど、女性が働きやすい環境を整える企業も増えています。

プロジェクト単位の仕事が多いため、短時間勤務など柔軟な働き方も可能で、結婚や出産後もキャリアを継続しやすい点がメリットといえるでしょう。

男女関係なくキャリアを構築しやすい

施工管理では、実力や経験が重視されるため、性別に関係なく評価される職場が多いです。

体力的な負担が少ない作業も多いため、女性でも安心して取り組むことができます。さらに、未経験からでも資格を取得することで活躍の幅を広げられる点も魅力のひとつです。

チームにプラスの影響を与えられる

女性がチームに加わることで、現場に良い影響を与える可能性があります。

• 多様な意見が取り入れられる
• チーム内の雰囲気が和らぐ
• コミュニケーションが活性化する

これらの効果により、現場の効率化や質の向上が期待されます。

女性は、柔軟なコミュニケーション能力を活かして、職人や取引先との良好な関係を築くことができます。

女性が施工管理に転職するデメリットや注意点

女性が施工管理に就く魅力は多いですが、まだまだ男性社会でもあることからデメリットや注意点もあります。

デメリットや注意点までしっかり理解したうえで転職を検討することが大切です。

体力が求められる

施工管理は、現場監督としての作業も行います。

職人のような作業はないとはいえ、広い現場の中で仕事をするのには体力が必要です。

また、納期に間に合わせるため残業や休日出勤も多い仕事でもあるため、体力に自信がないと勤務がきつくなる恐れがあるでしょう。

設備が整っていない

現場によっては女性用トイレや更衣室がなく、男女共用というケースも珍しくはありません。また、女性専用の作業着や工具・装備なども少ないため、揃っていないケースも多いでしょう。

男性と同様の設備や装備で働くことに、体力的・精神的に負担を感じる可能性もあります。

意見が通りにくい

建築業界や工事現場は、いまだ男性社会で古い考えを持っている人も少なくありません。

とくに、ベテランの職人だと女性の意見を聞いてくれないというケースも珍しくはないでしょう。

「女性だからやっぱりダメ」と男性と比較されやすいだけでなく、より厳しい目を向けられる恐れもあります。

古い考えが根強い職場では、仕事に支障が出やすくストレスも感じやすいので注意が必要です。

安全面での不安がある

女性に限ったことではありませんが、施工管理は現場での作業も必要なため危険性も他の職種より高くなります。

夜間工事や重機などの危険物・高所の作業など安全性に不安があったり、防犯面での配慮が行き届いていないケースもあるので注意しましょう。

プライベートとの両立がきつい

施工管理は休日出勤や長時間労働になりやすく、プライベートと仕事の両立が難しいケースも少なくありません。

ライフワークバランスを重視し負担を軽減しようとする職場が増えているものの、納期を守るために仕事に追われる可能性は高くなります。

家庭やプライベートを優先させにくい点はデメリットといえます。

施工管理に向いている女性の特徴

ここまで紹介した施工管理のメリットやデメリットを踏まえ、施工管理に向いている女性の特徴を紹介します。

計画的な業務推進ができる

施工管理では、工程管理の効率化やリスクを想定した準備・スケジュール管理などが必要です。

現場や予算・取引先など複雑な工程を計画的に管理しなければならないため、計画的な業務推進が求められます。

マルチタスク処理が得意・計画を立てて実行するのが苦にならないという女性は、施工管理に向いていると言えるでしょう。

コミュニケーションを上手に取れる

施工管理は、現場の職人や取引先など幅広い年齢や役職の人と関わる仕事です。円滑に仕事を進めるには、良好なコミュニケーションが重要になるため、コミュニケーション能力に自信のある人に向いています。

冷静な判断力と決断力がある

現場でトラブルが発生したなど、緊急の対応が必要な場面は少なくありません。そのような場面で、適切に素早く判断し対応していくだけの判断や決断ができる人は向いています。

計画的な作業を求められるだけでなく、想定外に柔軟に対応できるかどうかも重要になります。

論理的思考ができる

施工管理は職人をマネジメントしてプロジェクトの成功を目指していく仕事です。

複雑な工程や状況などから理論的に考え、適切な対応を導き出す必要があるので、理論的な思考が求められます。

感情的ではなく物事を理論的に判断できる女性は施工管理に向いているでしょう。

女性の施工管理に関するよくある質問

最後に、女性の施工管理に関するよくある質問をみていきましょう。

未経験で施工管理に転職できる？

未経験であっても施工管理への転職は可能です。

しかし、女性に向いている職場かどうかは企業によって異なるので、募集要項などはしっかりチェックするようにしましょう。

また、未経験の場合は施工管理に必要なスキルや資格を理解し、前職での経験・スキルを関連付けてアピールすることが大切です。

未経験での転職については以下の記事も参考にしてください。

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ネイルは認められる？

現場での作業は危険性を伴うため、安全面を理由に基本的にネイルは禁止しています。

しかし、オフィス勤務など現場以外の作業が多い職場では、支障をきたさない程度のネイルを認めている企業も増えています。

ネイルを楽しみたい場合は、安全性は十分理解したうえで、着脱しやすいデザインや派手過ぎない清潔感のあるネイルなどを検討してみるとよいでしょう。

生理中の仕事はどうすればいい？

女性用トイレなど女性に配慮した設備を導入する企業も増えていますが、まだ整っていない現場も少なくありません。

トイレに汚物入れがないケースもあるため、現場の状況を把握してポリ袋を用意するなど自己対策が必要です。

生理痛への理解が少ない職場環境というケースもありますが、無理せずハッキリ相談するとよいでしょう。

手に職をつけられる施工管理は女性にもおすすめ！

施工管理は女性でも転職やキャリア形成がしやすい仕事です。

年々、施工管理で活躍する女性も増えており、女性に配慮した労働環境を整えている企業も増えています。

体力が必要など女性にとってきついと感じる場面もありますが、それ以上に女性ならでは視点を活かしやすいなどメリットもあります。

需要が高く再就職などでも有利になりやすいので、向いていると思ったら施工管理を目指してみるとよいでしょう。